イベントレポート「Javaプログラミングをスッキリ学ぶための10のコツ」

2015年4月21日(火)
奥野大児

第3部 Javaを学んだその先に

Javaを学んだ。仕事として使えるようになった。ではその先に何があるのか。

学んだあとに広がる世界を知れば、学習意欲も高まるであろう。学ぶその先には何があるのだろうか。中山氏・岡田氏がJavaやエンジニアの将来を語る。

コツ9 広いJavaの世界に目を受ける

Javaエンジニアの活躍の場は業務システムを中心とした情報システムだけではない。手元で操作するデバイスから情報システムを統括するシステムまで、すべてのアプリケーションがJavaで動かせる可能性を示唆する。学んだ言語知識で大きな夢を描ければ、エンジニアの学習意欲は自然に高まるというものだ。

近頃はIoT(Internet of Things)という分野で、自動車の制御をJavaで行うというプロジェクトが動いている。このプロジェクトが本格化すれば、Javaというスキル一つで表現できる、制御できることの可能性がさらに広がる。Javaを今のうちに身に着けておくことのモチベーションになりうるであろう。

コツ10:学び手の未来に目を向ける

今日の学び手は将来、人を教える立場(=導き手)になる。導き手として周囲の学びに影響を与える存在になる喜びもあるだろう。十分な技術力を誇る優秀なエンジニア・カリスマエンジニアを目指して進む道もあり、そのエンジニアリング能力を若手エンジニアに背中を見せるように指導することや、手をとって導くような優しいエスコートが出来るエンジニアを目指すこともできる。自らが素晴らしい学びの経験を得たエンジニアは、その経験を次世代に伝えることで素敵な導き手になれる可能性が高い。

組織においては技術の変化が激しくなるほど、組織内の技術の流通力が組織全体の技術力に強い影響を及ぼす。組織の技術力が高まれば、新技術を活用した製品やサービスをいち早くリリースできるメリットが大きいだろう。そのため、新しい技術・知見を得た技術者が組織内のメンバーにスムーズに技術を伝えられることが大切にになり、すなわち技術者の「導き手スキル」が求められてくるだろう。

今頑張って習得に励んでいる「学び手」がエキスパートとして活躍したり素晴らしい導き手になることで、きっと世の中が少しずつ良くなっていくだろう。 「あなたがJavaを学んだことが、きっと世の中を変えます」 そう締めくくって中山氏の講演は終わった。

おまけ:学びのコツ、教え方のコツはJavaの学習に限らない

コツ

セミナー終了後の質疑応答では参加者から活発な質問が発せられた。Javaの学び手、導き手それぞれの立場からの質問が相次ぎ、そのたびに中山氏・岡田氏から実体験に基づいた回答がある。時間をオーバーする熱気であった。

本セミナーで語られた学びのコツ・教え方のコツはJavaプログラミングの学習に限らない汎用的な内容だった。特に学び手が将来の導き手になること、導き手に求められる教える力は学ぶ際・エンジニアとしてのスキルとは別の能力が必要になることはITに関係なく聞いてうなずける。

書籍の対象であるキャリアの浅めのJavaエンジニア、およびキャリアの浅いエンジニアを指導する立場の参加者が集まった印象で、言語に限らず「学び方」「導き方」について学べたという参加者の声が興味深かった。参加者はみな言語に関わりなく「学ぶこと」「教えること」についてのヒントをもらって家路についたのではないだろうか。

そう思えた気づくことの多いセミナーであった。

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