2015年に輝いて魅せたSpark、OpenStack、Docker、2016年は人工知能、Fintech、AGLが飛躍の年に
新年明けましておめでとうございます。日立ソリューションズの吉田です。
今年もよろしくお願いいたします。
さて、昨年末からとても冬とは思えない暖かさの中で、お正月を迎えました。2014年夏に発生したエルニーニョ現象が最盛期となり、その影響のようです。夏までには平常の状態になると言われていますが、この状態は早く解消してもらいたいものです。
今週は、OSSに関する2015年の振り返りと、2016年の展望をまとめましたので、ゆっくりとご覧下さい。
Sparkは、今年も輝きます。
昨年の一番の話題は、IBMがSparkに3,500名を投入し、「Spark as a Service」としてSparkのサービスを提供したことです。
SparkはHadoopが切り拓いてきた大規模分散処理基盤をさらに進めたもので、「高速性」が一番の特徴です。Sparkでは分散処理技術に加えてインメモリのキャッシング技術を実装することで高速処理も可能にしており、従来の「Map Reduce」と比較して10倍~100倍高速になります。
また、年明け早々の6日には「Apache Spark 1.6」のリリースが発表されました。新バージョンでは、新しいメモリマネージャの導入により実行用とキャッシュ用の各メモリ領域を自動的に最適化できるように改善したことで手動による最適化を不要にし、実行速度の向上に貢献しました。
OpenStackとDockerも
昨年10月に東京で開催された「OpenStack Summit Tokyo」は大きなトピックでしょう。56カ国から5,000人を超える関係者が東京に集結し、OpenStackの今後について議論する場を提供できたことは大変意義深いことでした。OpenStackはカバーする領域が拡大しており、「IaaSに留まらずにPaaSやSaaSにまで拡大するのではないか」という議論まで巻き起こっています。
しかしながら、現状ではまだ開発が中心であり、運用には至っていないというのが実情です。今後、ビジネス面での活用を考えていくためには、運用に関するノウハウを蓄積し、共有化していく必要があります。
次回の「OpenStack Summit」は、米国Austinで4月に開催される予定です。どのような新しい機能や事例が登場するか、実に興味深いところです。
- 【12/21】レッドハット、Cloud FormsでAzureやDockerも管理可能に(参照記事)
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一方、Docekrも昨年6月に開催された「DockerCon 2015」でコンテナ標準化団体「Open Container Initiative」の発足が発表されました。それまでは、Docker社とは異なる仕様を策定しようとしていたCoreOS社も取り込むことができ、標準化が進むことになりました。その後、「OpenShift」や「Cloud Foundry」などでも対応が発表され、さらに重要性が高まってきています。
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