現在、多くの企業は自身が本来技術系かどうかは関係なく、そのビジネスモデルを進化させようと試みている。IoTとデータ分析は、そういった企業のM&A活動を新たな高みに推し進めるため大変活躍している状態だ。
Forbesの記事では、Ernst & Young(EY)が最近発表した第二四半期に行われたM&Aのレポートについて詳細に語られている。
EYのレポートにおいて、評価額10億ドルかそれ以上の技術系企業の4月-6月にかけて行われたM&A活動は、過去の記録を塗り替えるものだったという。第二四半期での総額は、1,270億ドルとなり、第一四半期のほぼ倍となっている。
「ビジネスを覆すデジタル化の波と、企業の堅実な成長が2016年第二四半期のテクノロジー部門全体の数字を前例がないくらいに引き上げる要素となった」と、レポートの著者は述べている。さらに、この期における28件の取引のうち多くは、「IoTとデータ分析参入」がその要因となっている。成長期にあるこれら技術に投資が集まったということだろう。
昨年の同時期と比べ、IoTに関するM&A活動は28%増加しており、技術として勢いに乗っていることがよくわかる。
「第二四半期でのコネクテッドカーに関する取引のうち、8分の7がIoT技術(マッピングやトラッキング技術などを含む)に関わりがあり、8分の6はIoTセキュリティに関するものだ」とレポートでは述べられている。
ちなみに、この調査例ではBrocadeが15億ドルで買収した、エンタープライズWiFiプロバイダのRuckus Wirelessも含まれている。
活発になるビッグデータアナリティクス関連の取引
そんななか、ビッグデータ分析に関連した取引額も昨年の第二四半期と比べて13%の伸びを示している。EYは、この成長の理由として、多くの分野の企業が自身の成長およびデータのもつ近代化への力に気づいているからだとしている。
「技術系、非技術系を問わずさまざまな企業が、顧客の需要に応じて幅広いエンド・ツー・エンドのソリューションを構築するため、大きな変化を生む取引を追い求めている」という。
そして、あらゆる分野の企業が、急速な進展を遂げる世界市場での競争力を得るための企業買収に目を向けていることから、テクノロジー分野でのM&Aは今後も続くだろうとEYは見ている。
「デジタル化の波があらゆることを変えていく昨今、2016年の技術系のM&Aは当面過去に例がないペースで続くであろうと予測できる。技術系企業はより早く進化し、エンド・ツー・エンドのソリューションを構築するためにM&Aを求め続けるだろう。そのうちいくつかは、公開市場の監視から逃れるために株式を非公開にするものも出てくると考えられる。また、非技術系企業は技術系企業を買収し、業種の境目はますます曖昧なものとなり、そして、そのどちらもが求めるものは最終的にセキュリティ技術になるだろう」と、レポートには書かれている。
セキュリティ技術は、その重要性に気付いた企業から今後これまでとは比にならないほどの需要を獲得することになるに違いない。
ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]
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