データをインプットしてもらう方法とは?
技術的・心理的なハードルを下げる
次に「技術的・心理的なハードルを下げる」という視点で、フィーチャー&ファンクションの例を3つ紹介します。
1つ目は、「メールから情報更新」です。メールでブログのポストを可能にする機能です。わざわざWebサイトにいく必要がありませんので利便性が高いといえるでしょう。もちろんPCメールだけではなく、携帯のメールから簡単にポストできるとさらによいでしょう。サンプルのWebサイトは「Blogger(https://www.blogger.com/)」になります。
2つ目は、「より簡単な写真のアップ」です。写真のアップの技術はいくつかありますが、Facebookの利用している方法はより簡単だと思います。Javaの技術を使っています。ブラウザ内(ページ内)でデスクトップのファイルの一覧が取得できたり選択できるため、利便性が高いです。サンプルのWebサイトは「Facebook(http://facebook.com/)」になります。
3つ目は、「デスクトップツールの提供」です。デスクトップのアップロードツールを提供することにより、ローカルから写真をアップできます。デスクトップで写真を選択して、右クリックで写真をアップできたり、複数を選択してドラッグ&ドロップできれば、ひとつひとつアップするよりも格段に利便性が高いでしょう。サンプルのWebサイトは「Flickr(http://www.flickr.com/tools/)」「twhirl(http://www.twhirl.org/)」になります。
「ユーザーのデータインプット促進」ためのフィーチャー&ファンクションのリストをダウンロード(http://www.thinkit.co.jp/images/article/115/3/11531.zip)できるようにしましたので、参考にしてみてください(11531.zip/7.46 KB)。
ユーザーの行動を活用する
特にソーシャルメディアにおいては重要になってくるのが「いかにユーザーの行動を活用するか」という視点です。ユーザーが情報を選択したり、意味づけをしたり、ネットワークを広げたり、コミュニケーションをするなどの行動をうまく利用しながら、サービスを提供していくためのフィーチャーやファンクションについて考えてみましょう。
単純な例ですが、「ユーザーが数多くクリックしたリンクが上位表示される」というのも立派なユーザーの行動の活用です。「この商品を買っている人は別のこの商品を買っています」というフィーチャーもそうですし、いわゆるタグづけも同じような効果をもたらします。
ソーシャルメディアのような、ユーザーにプラットフォームを提供し、活発に利用してもらうことによってさらに拡大していくようなサービスは、上記のようなユーザーの行動がほかのユーザーへの価値になるようなサイクルをいかにまわすかが成功のカギとなります。ただ、それ以外のソーシャルメディアではないサービスにも、部分的な要素としてユーザーの行動データをうまく利用することも可能です。例えば、リアルタイムに変動しないとしても、人気のあるレシピを上位に表示するといった工夫です。
上記のような視点で、フィーチャー&ファンクションの例を挙げましたので、参考にしていただきたいと思います。単なる情報提供を超えた場やツールとしての価値の提供を目指すのであれば、ユーザーの利用が価値を生み出すようなエコシステム自体を考えてみてもよいかもしれません。
それでは「ソーシャルレコメンデーション」「ユーザー同士のネットワーク&コミュニケーションの促進」という2つの視点で説明します。