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次世代のコンバージドインフラストラクチャー、デイトリウムの「いいとこ取り」とは?

2018年3月7日(水)
松下 康之
新世代のコンバージドインフラストラクチャーアプライアンスを手がける米国Datriumが日本法人を設立し、日本市場に向けて活動を開始した。

Datriumは2012年に創業したベンチャーで、仮想化及びストレージに精通したエンジニアが製品開発を行っているという。DatriumのCEO兼Co-FounderのBrian Biles氏は、バックアップソリューションのData Domainの創業メンバーでもあり、Data DomainがEMCに買収された後にVPとして製品統括を行なっていた。その後、元VMwareのエンジニアなどとともに、Datriumを創立したという経緯がある。

DatriumのCEO、Brian Biles氏

DatriumのCEO、Brian Biles氏

またTintriのテクノロジー担当VPだったRex Walters氏も、製品担当VPとしてDatriumに参画している。さらにデイトリウム日本法人の代表である河野通明氏も、データドメイン株式会社の代表からティントリジャパン合同会社の代表になり、2018年1月にデイトリウムジャパン合同会社の代表となった人物だ。

テクノロジー担当VP、Rex Walters氏

テクノロジー担当VP、Rex Walters氏

デイトリウムジャパンの代表、河野通明氏

デイトリウムジャパンの代表、河野通明氏

デイトリウムの製品の特徴は、ストレージアレイの進化とハイパーコンバージドインフラストラクチャーの登場に大きく影響を受けている点にある。デイトリウムの製品は「オープンコンバージド」と称されるシステムで、製品名は「Datrium DVX」と呼ばれるソフトウェアとアプライアンスの総称である。

通常のストレージアレイにおいて、仮想マシン単位のよりきめ細かな管理機能やスケーラビリティに欠ける部分を補う形で登場したのがハイパーコンバージドインフラストラクチャー(HCI)だ。HCIのリーディングカンパニーであるNutanixは、オープンソース・ソフトウェアをフルに活用する一方で、ハードウェア(サーバーとストレージ)にはコモディティなホワイトボックスサーバーを利用することで、コンピュートとストレージをスケーラブルに構成できるシステムを作り上げた。

通常のストレージアレイがシステムの増設や構成変更に多くの手間を必要としていた時代に、Nutanixの「ハードウェアの筐体を追加すれば、ソフトウェアが自動的に構成変更と最適化を行う」というコンセプトは高く評価され、昨今の変化の多いIT環境の増加と管理に労力をかけたくないIT管理部門のニーズにマッチしたことで利用が拡がったと言える。かつてNutanixが事例としてよく語っていたアメリカ陸軍のユースケースで「筐体を組み上げて電源とネットワークさえ繋げば、どこでもすぐに使える」というのは、前線を移動しながらコンピュータを使わなければならない変化の多いユースケースとして、HCIの使い勝手の良さを象徴していたと言えるだろう。

そしてデイトリウムの製品は、そのHCIの欠点を解消するために開発されたというのが今回の発表でデイトリウムが言いたかったことだ。特にHCIにおいてデータが複数のチャンクに分割され、ネットワークを介した他のノードのストレージに書き込まれることによって冗長性を担保している部分について「データの読み書きにオーバーヘッドが加わっている」というのがデイトリウムの説明だ。また必ずイーサネットのインターフェースを通じてデータが通信されることによって「データ量が増えるとネットワーク幅がボトルネックになる」と解説した。

ではデイトリウムの製品の技術的なポイントはどこなのであろうか。デイトリウムジャパン合同会社の技術担当副社長である首藤憲治氏の説明によれば「サーバーの持つフラッシュメモリーをキャッシュとして利用し、コンピュートノードで稼働するシステムからのデータのアクセスは、そのノードが持つキャッシュに対して行うためにRead/Writeともに高速。特にWriteは、キャッシュに書き込むことでシステムからは処理は終了したと見なされる。その後、暗号化や重複排除などの処理を行なった後に、実際の書き込みを専用のストレージノードに対して行うために、高速かつセキュアでデータ量を削減可能」ということになる。つまり、ストレージアレイの高速さとHCIの容易さのいいとこ取りを行なったような発想で作られているのが、デイトリウムのストレージであるという。ここでのポイントは、コンピュートノードからの書き込みをそのノードが持つフラッシュメモリーのストレージに対して行うことで暗号化や重複排除を後回しにすること、そしてノード内のストレージからネットワーク経由で専用ストレージノードに入出力を行うことによって、オーバーヘッドを極力減らすことに成功しているという点だろう。

もうひとつの利点として、Data Domainでの経験を活かしてバックアップの機能が充実している点を挙げておきたい。スナップショットの機能も用意されているが、これはCloud DVXと呼ばれるもので、AWSにバックアップを取る機能が最初から準備されていることだ。もちろん別製品であり、別にライセンス料が必要となるが、GUIも準備されており、エンタープライズでのパブリッククラウド利用の要点を突いていると言える。

また高速であるというアピールについては資料としては配布されなかったが、外部組織のレビューなどによって検証がされているという。

以下のレビューは2017年12月に行われたもので、ここでは高い評価を受けていると言える。

Datrium DVX with Flash End-to-End Review

Storage Reviewによるレビュー

Storage Reviewによるレビュー

ただし今回は、障害時のフェイルオーバーの詳細に関する解説などは行われなかったため、実際の運用環境での評価は別途、聞き取りを行いたいと思う。またOpenStackなどの既存のオンプレミスにおける仮想化環境では「まだCinderのドライバーがあるというレベルで、OpenStackからは巨大なストレージプールという見え方になる」という説明があった。これはNutanixなどでも同様の扱われ方で、コンバージドインフラストラクチャーもHCIもコンピュートノードが活用されずにストレージノードとして扱われてしまうのは、今後の機能拡張が求められるところだろう。また仮想化基盤もKVM、vSphereのサポートとDocker 1.2のサポートが表明されているが、クラウドネイティブなシステムはDockerからKubernetesを使ったオーケストレーションに移行を始めており、今後のプラットフォームサポートとしてKubernetesサポートが行われるのか注目したい。

日本国内ではノックス株式会社が販売代理店としてすでに活動を始めており、実際に引き合いも多いという。パートナーの拡大とユースケースの増加にも注目していきたい。

フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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