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リーダーシップなくして生産はなされない

2008年10月3日(金)
藤田 勝利

マネジメントを正しく理解しているか

ドラッカーは図3のとおり、マネジメントの仕事をシンプルに定義している。

この定義を見れば、プロジェクトがうまくいかないことではなく、「マネジメント」がうまく機能していないことに問題があることに気づかれると思う。

ただ、この「マネジメント」という言葉ほど、一般的であるにもかかわらず、正確に理解されていない言葉はない。「うちのチームはマネジメントがなっていないよ」「あの人のマネジメントでは誰もついてこないよ」といった言葉がよく語られる一方で、「では、マネジメントとはそもそも何か」という点については議論が深められてこなかった。

特に日本の、情報システム開発の現場ではその傾向が顕著ではないか。そして、最新のプロジェクトマネジメントスキルや、プロジェクト管理ツールだけでは根本的な問題は解決しないことに多くの人が気づきはじめている。

今こそ、ITリーダーが正統なマネジメント理論を学ぶとき

筆者は、以前「会社を強くするIT、弱くするIT」という連載を執筆した。その中で、「ITと経営の融合」の重要さを訴えた。

成功するITプロジェクトと失敗するITプロジェクトの相違は、まさに「経営」への理解度にある。システムソリューションを提供する側、される側、ともに「経営的なビジョン」「信念を持ってやり抜くリーダーシップ」「協力し合う組織風土」を備えているかどうかが、実はIT導入の成否に大きくかかわってくる。

だからこそ、ITプロジェクトをけん引するリーダー層に、今こそ本質的なマネジメント理論を学んでいただきたいと思う。

ドラッカーの代表的な著書「現代の経営」の冒頭に次の言葉がある。

「経営管理者は事業に生命を吹き込むダイナミックな存在である。彼らのリーダーシップなくしては、生産資源は資源にとどまり、生産はなされない」。

筆者はこの言葉が好きで、常に自分に「人を活かすことができているか」と問いかけている。そして、この言葉をプロジェクトマネジャーの方にもかみ締めていただきたい。プロジェクトの中でメンバー個々の能力を活用し、いきいきと働き、価値ある成果(ゴール)に結び付けられるかどうかはプロジェクトマネジャーの資質にかかっている。

なお、本稿の執筆にあたって、以下を参考にした。

P.Fドラッカー(著)上田惇生(訳)『現代の経営』ダイヤモンド社(発行年:2006)

P.Fドラッカー(著)上田惇生(訳)『マネジメント - 基本と原則 [エッセンシャル版]』ダイヤモンド社(発行年:2001)

エンプレックス株式会社
エンプレックス株式会社 執行役員。1996年上智大学経済学部卒業後、住友商事、アクセンチュアを経て、米国クレアモント大学院大学P.Fドラッカー経営大学院にて経営学修士号取得(MBA with Honor)。専攻は経営戦略論、リーダーシップ論。現在、経営とITの融合を目指し、各種事業開発、コンサルを行う。共訳書「最強集団『ホットグループ』奇跡の法則」(東洋経済新報社刊) http://www.emplex.jp

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