結局、iPhoneってなんなの?
iPhoneはケータイとは似て非なるもの
本連載では、iPhone向けのページ/サイトの作り方を解説していきます。今回はそれに先立ち、iPhoneとはいったいなんなのか、どんな魅力があるのかを紹介したいと思います。
まず、今月の特集テーマからするとちょっとそぐわないのですが、あえて「iPhoneはケータイとは似て非なるもの」というところからはじめましょう。
ケータイじゃないの?
日本のケータイは「ガラパゴス」と称されるような独自の進化を遂げてきました。
PCのWebサイトとは違う携帯サイトの世界、課金代行システムと結びついた公式サイト、プッシュ型メール、課金デバイスとして利用できるおサイフケータイ機能、着メロ/着うたなどの音楽再生、カメラと写メールやデコメール、GPSと地図とナビゲーション、ワンセグチューナーなど、生活に密着したとても便利な道具です。現時点でもっともユビキタス的世界に近いモノといっても良いかもしれません。
これらの便利機能の多くは、端末メーカーによる新機種の投入もさることながら、キャリア主導の販売、課金代行システム、バックエンド情報網によって発展してきたのは誰の目にも明らかでしょう(キャリアが開発もコントロールしているといううわさもあります)。やはりWebの世界では実現が難しい課金システムが標準で使えるというのは、メーカーやコンテンツ提供者には魅力的です。
海外ではここまでの携帯デバイスはあまり見当たらず、あえて比較できるものは主にビジネス用途で利用されているスマートフォンが挙げられるでしょう。スマートフォンとして有名なのはBlackBerry(http://ap.blackberry.com/jpn/)、Nokia(http://www.nokia.co.jp/)、HTC(http://www.htc.com/jp/)、Windows Mobile(http://www.microsoft.com/japan/windowsmobile/default.mspx)などで、特にPCとの連携が重視されます。通話/通信機能を持ったPDAといったところでしょうか。
日本でのスマートフォン事情としては、Willcom(http://www.willcom-inc.com/ja/index.html)が昔からW-Zero3でがんばっていたり、docomo(http://www.nttdocomo.co.jp/)がBlackBerryの個人ユーザーへの販売を開始したり、auがHTCの端末投入を決定したりと活性化はしていますが、やはり既存ケータイとの操作性の違いなどから、いまだスキモノ向けのガジェットにとどまっています。最近ではイー・モバイル+ウルトラモバイルPC(UMPC)のセット販売が話題になっていたりしますが、これも同じ土俵かもしれません。
ではiPhoneはいったいなんなのでしょう?
筆者の独断と偏見によれば「日本のキャリアやメーカーやコンテンツプロバイダーが作り上げてきた面白ケータイの箱庭世界を、スマートフォンの仕組みをベースにAppleが世界向けに焼き直して牛耳る野望!」です。
それではiPhoneとケータイを比較してみましょう。