Automotive Grade Linuxは「Code First」
Automotive Grade Linuxは「Code First」
The Linux Foundationで自動車向けLinuxプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)のExecutive Directorを務めるDan Cauchy氏は、「AGL State of the Alliance」と題してAGLを紹介した。
AGLには現在127社のメンバーがおり、次々とメンバーが増えているという。2018年の新規参加企業にはAmazonやBoseもいる。
AGLのミッションは、エコシステムを単一のプラットフォームの上に作ることだという。共通のミドルウェアを用意してセキュリティにも対応する。「細分化された状況はアプリ開発者には望ましくない。AGLは1つに絞ることでフラグメンテーションを避ける」とCauchy氏は語る。
もう一つ強調されたのは「Code First」の方針だ。「仕様から始めるとばらばらのコードが作られる。コードをダウンロードして使ってもらう」(Cauchy氏)
AGLは、スマートフォンのように使う車載インフォテイメントのプロファイルからスタートした。各リリースには魚にちなんだアルファベット順のコードネームが付けられており、7月末にリリース予定の次期バージョンAGL UCB 6.0のコードネームは「Funky Flounder(ファンキーなヒラメ)」だ。このバージョンでは、テレマティクス、計器板、ヘッドアップディスプレイの3つのプロファイルが加わる。
その次のバージョンは「Grumpy Guppy(気難しいグッピー)」。このバージョンでは安定性を重視するほか、AmazonやGoogleなどさまざまな音声操作を1種類のAPIで使えるようにするSpeech APIが加わる予定。また、Vehicle-to-Cloudの機能も加わる。
もう一つ注目されているのがvirtualization(仮想化) Expert Groupだ。これにより、複数の機能を1つのプロセッサにまとめたり、レガシーとAGLを組み合わせたりできるという。
その先で注目されているものとして、ADAS(先進運転支援システム)と機能安全も語られた。ADASでは、AGL RTプラットフォームとカメラやセンサー、画像認識などを組み合わせて実現する。「自律運転のデファクトになる可能性を秘めている」とCauchy氏はコメントした。
また機能安全については、「公共インフラで培われた知識などが生かせると思っている」とCauchy氏は語った。
最後にCauchyは「AGLは“Code First”」という言葉を再度取り上げ、コードとエコシステムを重視していることを強調した。