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| 「社員の思考力」という見えない競争力 | ||||||||||
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「思いと情熱」に次いで、IT導入時に大切な人材力は「考える力(思考力)」だと筆者は考える。 これは「勉強ができる」や「仕事が速い」といったこととは違う。瞬時に物事の全体像と本質を見抜き、課題を整理し、実行に移せる思考スキルだ。 最近では非常に論理的な(感情的、思いつきではなく)話や仕事の進め方をされる企業の担当者の方もいて、教えられることが多い。そのような方は、IT導入の前に「現在の経営課題そのものが何か」をズバリと見抜き、その原因を分析し、解決のために何を優先し、何を優先しないのかを明確に整理されている。このような方がリードするITプロジェクトは成功確率が高い。 では「論理的思考」とは何かといえば、大きく以下の3つだと考える。
表1:論理的思考とは これらは物事や概念の関係性を体系的に整理できるようにするというビジネスマンとしては必須の思考スキルである。 しかし、ここで1点注意が必要なことがある。それは「『目的』はいくら論理的に考えても答えは出ない」ということだ。「この事業を成長させたい!」「このサービスをすればお客様は喜ぶ!」といった目的は、論理思考というより、「創造的思考」により見いだされるものだ。 ![]() 図1:論理的思考と創造的思考 先日話をうかがった著名な都市プランナーも「いかにすればその都市に人が集るかを右脳で徹底的に発想し、左脳で徹底的に実現性を検証する」と話されていた。 IT導入に際しても、まずはリーダーや社員が「この技術を使って、仕事のやり方が、顧客サービスが、営業方法が、どのように劇的に変化するのか」を創造的に発想し、一方で、実現性、優先順位(フェーズ分け)、予算、スケジュール、体制などを合理的に検証することが重要だ。 |
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| チームの力を高めるファシリテーションスキル | ||||||||||
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近年注目を集めている「コーチング」的なスキルにより、個々人の本当にやりたいゴールを引き出すことは可能だ。また、思考力についても研修やトレーニングを受ければある程度のスキルが身につく。 難しいのは、グループメンバーの考え方を引き出し、整理し、検討を前に進めていくファシリテーションスキルであろう。このスキルも最近、SEやITコンサルタントの方に非常に注目を集めている。筆者も会員登録しているファシリテーション関連の協会にも、SEやITコーディネーターといった職種の方が非常に多い。お客様や社員と業務要件を調整し、意見を引き出しながら、目標に進んでいく。その上で、ファシリテーションスキルが必須であることのあらわれだと思う。 コーチングが主に個々人に対して行われるのに対し、ファシリテーションはグループ・チームに対して行われる。 グループのアイデアを引き出し、ディスカッションの進行をサポートしながら、会議の生産性をあげていく。業務要件の定義や、開発スケジュール会議などは、個々人の思いがぶつかったり、複雑な人間関係や感情の問題がこじれたりして、検討が生産的に進まないことが多い。 その際に、ファシリテーターは全体の目的を常に頭に入れながら、必要に応じて様々なフレームワークを用い、議論を「交通整理」し、会議のアウトプットを出し、次のアクションに進めていくのである。 ファシリテーションスキルを単に「司会進行」「中断して質問をする人」といった誤解をしている人も少なくないが、実際にはプロジェクトの目的や議題を体系立てて整理する思考力や、高度なコミュニケーション能力が求められる。 |
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