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| 不正はなぜ起こるのか | ||||||||||||||
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ここでコンプライアンスを脅かす不正について確認しておく。一般的に不正は「動機」「機会」「正当化」という要件が揃ったときに発生するといわれている。リスクの起こりうる要件を「不正リスク要因」または「不正のトライアングル」といい、横領を例にとると表2のように不正は起こることになる。
表2:横領の場合の不正の起こり方 表2の「機会」は「内部統制の不備で不正をしても発見されない」といった実行チャンスを指す。そういった理由から、業務担当部門が内部統制不備の改善を行いって不正を行う「機会」を減少することが重要となる。 |
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| 内部統制と不正の関係 | ||||||||||||||
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内部統制を構成する要素である「情報と伝達」と「モニタリング」に弱点を抱えている場合、重大な「悪い情報」がそのまま経営陣に伝達されなくなる可能性がある。また「情報と伝達」の悪い企業において、不祥事や不正事件が発生する確率が高いといわれているのである。 またここ数年、内部告発による不祥事の表面化した事例が多くある。これは内部通報する前に外部に告発されてしまうことをあらわしており、インターネットの持つ匿名性などもそれを増長する働きをしている。このことによって後手にまわり問題が大きくならないように、通報者の匿名性や利益の保護などを考慮した内部通報窓口の設置の重要性も問われている。 |
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| 事後対応の重要性 | ||||||||||||||
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事故や不正は起こらないに越したことはないが、事故や不正が発生した場合には企業倫理のあり方が問われる。その際には、まず「事故、不正が発生したときどう対応したか」が問われることが多い。 それを適切に行わないと被害が拡大し、結果的に企業の信用やブランド価値を失うことになる。これをレピュテーションリスクの連鎖という。 |
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| レピュテーションリスク | ||||||||||||||
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レピュテーションリスクとは、企業に関する否定的な評価・評判が世間に周知されることで企業の信用やブランド価値などが悪化し、結果的に企業が損失を被るリスクをいう。例えば事故発生リスクの影響度を評価する際には表3のように損害を想定する。
表3:事故発生リスクの影響度の評価 レピュテーションが傷つくことで生じる売上低下などの障害は特定が難しいが、昨今はコンプライアンス関連リスクなど、直接的な損害は大きくないがレピュテーションの低下による損害が大きいリスクが増えているため、レピュテーションの低下を評価対象とすることが重要となる。 |
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