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説明の中で、(I1)や(S2)などの記号が出てきますが、これは第1回で使ったプロジェクト管理状況チェック表のNo.と対応しています。チェック表で明らかになった問題点に対応する部分は、特に注意して読んでみてください。 |
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| リスクの監視と管理は現場・現物 | ||||||||||||||||||||
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リスクのトラッキングの原則は、「現場・現物」で確認・管理するということです。特定の報告者から体裁の整った報告を聞くだけではなく、プロジェクトの現場に出向いてメンバー1人ひとりと話をすることも大切です。進捗の報告についても、紙ベースの報告だけでなく具体的に成果物を確認するという姿勢が重要です。 これは報告の実態、信憑性を正しく判断するということだけでなく、PMがきちんと「現物」で管理するということをメンバーが認識する効果もあります。上がきちんとプロジェクトを見ているということは、メンバーがプロジェクト管理をきちんとする雰囲気作りに大いに影響するのです。 |
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組織は人間の体のようなものです。人間の体は、コレステロールが溜まると血液の流れが悪くなり、さらに放置すると動脈硬化により心筋梗塞などを引き起こしてしまいます。同じように組織が硬直化すると悪い情報が隠されてしまう雰囲気になり、放置していると大きなトラブルにつながります。 こうした組織の上司に限って、「良い情報はいいから、悪い情報をきちんと伝えなさい」と言ってるような気がします。本人にとってみれば「自分はそう指導しているのに下があげてこない、悪いのは下の連中だ」などと思っているのでしょう。しかし、本当に聞く耳を持っている上司なら、こういうことを言わなくても自然に"ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)"が行われています。部下が相変わらず「これは、とても上に言えない」と判断して当たり障りのない報告をしているとしたら、それは100%上司の態度に問題があります。 これは、プロジェクトマネージャがプロジェクトのトラッキングを行うのに大事なことです。報告が上がってこなかったとしたら、まず自分の態度を振り返ってみてください。報告を受けて必要以上に叱責したり、連絡を受けたまま放置したり、相談に対して説教で返したり、そういう日頃の態度が動脈硬化を引き起こしてしまうのです。 |
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| 思考停止せず、どんなときも冷静に判断を | ||||||||||||||||||||
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トラッキングのコントロールで重要なのは、発生したトラブルと同じような問題がないか考えてチェックすることです。特にプロジェクトの終盤では、メンバーはゴール目指してひた走っている状態です。そんなときにトラブルが発生した場合、メンバーはその障害を解決するだけしか気が回りません。「頼むからこのトラブルだけであって欲しい」と神に祈るような気持ちで、それ以上の思考を停止させてしまうのです。 そんなときプロジェクトマネージャも一緒になって思考停止してはいけません。ましてや、「またか。勘弁してよ!」などとは決して言わないようにしましょう。「こういう障害があるなら、同じような障害が別にもあるはずだ」というように冷静に判断し、的確な指示を与えられるのが、できるプロジェクトマネージャなのです。 |
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| 組織としての取り組み | ||||||||||||||||||||
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リスク要因はプロジェクトごとに異なりますが、組織で取り組むべきものも少なくありません。例えば、設計書やプログラムのバックアップがきちんと行われているか(R3)、機密情報漏洩を防ぐための対策が取られているか(R4)、などの基本的な対策は組織として考えるべきものです。十分な対策が取られていない状況であれば、できるだけ早く組織として対策に取り組んでもらうようにしましょう。 |
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| まとめ | ||||||||||||||||||||
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リスク管理は、「プロジェクト計画時におけるリスク予見と対策」、「プロジェクト遂行時の問題点の残件管理」の2つを主体にしています。医学の世界では、対処療法から予防医学に流れが変わりつつあります。プロジェクト管理の世界でも、問題が発生してからどたばたするのではなく、事前にリスクと対策をきちんと計画することの大切さを組織全体で認識するようにしましょう。 今回はPYRAMIDのテンプレートの中から「リスク要因管理表」と「課題・問題点リスト」を紹介しました。使えそうであれば、自社なりにアレンジして試してみてください。 |
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