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Borland StarTeamによる構成管理 |
第5回:StarTeamのカスタマイズ
著者:ボーランド 富山 義明 2006/6/27
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フォームのカスタマイズ
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StarTeamの構成アイテムのプロパティデータを編集・参照するためのフォームもカスタマイズすることができます。フォーム自体はSwingで作成されており、アイテムの各種プロパティを編集するために、下記のようなエディタコンポーネントクラスがStarTeamのExtension SDKとして提供されています。
AttachmentEditor |
アイテムへの添付ファイルを編集・参照する |
BooleanEditor |
整数または列挙型のプロパティを、真偽値として編集・参照する |
ComboEditor |
列挙型のプロパティを、編集・参照する |
DateEditor |
日付/時刻型のプロパティを、編集・参照する |
LinkComponent |
リンクアイテムリストを参照する |
NumberEditor |
整数または実数型のプロパティを、編集・参照する |
TextEditor |
テキスト型のプロパティを、編集・参照する |
UserListEditor |
ユーザID型のプロパティを、編集・参照する |
表8:エディタコンポーネントクラス
ここではJavaのコーディングの部分は省略して、StarDrawサンプルに含まれているカスタマイズフォームを使ってみることにします。
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カスタムフォームの有効化
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StarTeam Cross-Platform Clientを使って、「StarDraw」プロジェクトに対して「Administrator」ユーザでログインします。メニューから「プロジェクト → プロパティ」と選んで「プロジェクトのプロパティ」画面を開き、「エディタ」タブを選択します。
図14:「プロジェクトのプロパティ」画面
図14の画面で、「変更要求に代替プロパティエディタを使用する」というチェックボックスをチェックします。次に「OK」ボタンをクリックすると、このプロジェクト(「StarDraw」プロジェクト)の変更要求アイテムに対して、カスタムフォームを使うようになります。
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カスタムフォームの例
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それでは変更要求の新規作成を行ってみましょう。すると図15のようにカスタマイズされたフォームがロードされます。
図15:カスタマイズされたフォーム (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
フォームの見かけが標準のものから変化しているだけでなく、いくつかのプロパティ名が赤い字で表示されています。これは必須入力項目を示しています。アイテムのステータスに応じて、特定のプロパティを入力しなければ、登録することができないようになっているのです。必須入力項目の指定は、このプロジェクト用のカスタムワークフローとして指定されています。
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カスタムフォーム・ワークフロー定義の実体
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StarTeamでは、フォームのカスタマイズやワークフローに関する指定は、「StarFlow Extensions」という特殊な制御用プロジェクトで行います。
図16はこの制御用プロジェクトのファイルアイテムを表示させたところです。
図16:ファイルアイテムの表示 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
選択状態になっている3つのファイルが、カスタムフォームやワークフローを定義しています。このうち「ChangeRequest.Workflow.xml」ファイルは単純なXMLファイルですが、その内容を視覚的に編集するためのツールが、StarTeam Workflow Designerです。
図17:tarTeam Workflow Designer (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
これを使うことで、必須項目の入力の指定を画面上で実施することができるようになっています。
図18:必須項目の入力画面 (画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
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まとめ
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これまで5回にわたり、StarTeamの機能・使い方について、読むだけである程度の感触が得られるように説明をしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
StarTeamは、構成管理というカテゴリに属する製品ですが、決して管理者のためのものではありません。現場で開発を行っているエンジニアの方が、自分の作業を効率化し、生産性を上げるためのものです。
日頃の作業の中で表9にあげた問題点を感じているのであれば、それは構成管理システムを見直すことで解決できるかもしれません。
- 複数の並行開発環境が混ざっていて、目の前の開発作業に集中できない
- 修正作業のたびに複数のシステムにアクセスする必要があり、作業が面倒
表9:現場であがる問題点
今回の連載の中で、ひょっとしたらStarTeamが役に立つかもしれないと感じたのであれば、是非評価版をダウンロードして、使ってみてください。現場のエンジニアの方であれば、実際に触ることで、自分なりの評価を下すことができると思います。
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著者プロフィール
ボーランド株式会社 富山 義明
プロダクトビジネス本部 プロダクト・マネージャ
東京大学大学院理学系専攻科博士課程中退、理学修士。1992年日立CE(現日立IT)入社後、セキュリティビジネスセンタ長等を経て、2000年外資系企業へ。2003年、ボーランドに入社し、その後、アプリケーション開発の管理系製品の説明で国内を飛び回っている。
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