TOPプロジェクト管理> 今回は
StarTeam
Borland StarTeamによる構成管理

第5回:StarTeamのカスタマイズ
著者:ボーランド  富山 義明   2006/6/27
1   2  3  4  次のページ
今回は

   前回はStarTeamのビューについて説明し、並行開発をStarTeamで管理する方法を解説しました。しかし実際のプロジェクトに適用しようとすると、StarTeamの標準的な機能ではうまくいかない場合があります。今回は標準機能で不足する場合の対応として、StarTeamのカスタマイズによる方法を紹介します。
プロパティのカスタマイズ

   StarTeamの構成アイテムに対しては、様々なプロパティデータを付加することができます。本連載の「第3回:障害対応時の変更要求ワークフロー」ではStarTeamの変更要求ワークフローを紹介しましたが、そこででてきた不具合情報はStarTeamの変更要求アイテムのプロパティデータそのものです。これで十分であればカスタマイズをする必要はありません。しかしもっと他の項目を管理する必要があるとか、プルダウンリストの項目が不足しているなどの場合には、プロパティのカスタマイズを行う必要があります。


プロパティのカスタマイズの範囲

   プロパティのカスタマイズの操作は、StarTeamサーバのバックエンドにあるデータベースのスキーマを変更することになるため、サーバ構成の単位で影響します。よって1つのサーバ構成の中の複数のプロジェクトで、異なるプロパティセットを持つことはできないことに注意してください。

   このように複数のプロジェクトで共通のプロパティセットが定義されることには、表1のようなメリットがあります。

  • 複数プロジェクト間で共通の指標を使うことが可能
  • プロジェクト間でのアイテムの移動・共有が容易

表1:共通にプロパティセットが定義されることのメリット

   もしプロジェクトごとに別のプロパティセットが必要であれば、以下の方法で対応することができます。

  • プロジェクトごとに独立したサーバ構成を作成する
  • プロジェクトごとにフォームのカスタマイズ(後述)を使って、利用するプロパティを変える

表2:別のプロパティセットが必要な場合


プロパティのカスタマイズを実行するための権限

   プロパティのカスタマイズはサーバ構成全体に影響のある重大な操作ですので、これを実施するためには、非常に強い権限が必要です。

   図1は第3回で説明した「サーバー管理」の中にある「アクセス権」を開いたところです。

「サーバー管理」画面
図1:「サーバー管理」画面
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)


プロパティの種類

   StarTeamのサーバ構成上に新しい属性項目を追加するためには、StarTeam Cross-Platform Clientを使って、StarTeamにログインする必要があります。

   図2は「StarDraw」プロジェクトにログインして、「変更要求」タブを選択した画面です。

「変更要求」タブの選択
図2:「変更要求」タブの選択
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   メニューから「変更要求 → 詳細 → カスタマイズ」と選択すると、図3の画面が表示されます。

「カスタマイズ」画面
図3:「カスタマイズ」画面

   プロパティ名の左側にある各アイコンが、それぞれの属性の性質を示しています。

アイコン 属性の性質

既定の属性で、カスタマイズが禁止されているもの

既定の属性で、カスタマイズが可能なもの

新規に追加した属性

表3:アイコンと属性の性質

1   2  3  4  次のページ


ボーランド株式会社 富山 義明
著者プロフィール
ボーランド株式会社  富山 義明
プロダクトビジネス本部 プロダクト・マネージャ
東京大学大学院理学系専攻科博士課程中退、理学修士。1992年日立CE(現日立IT)入社後、セキュリティビジネスセンタ長等を経て、2000年外資系企業へ。2003年、ボーランドに入社し、その後、アプリケーション開発の管理系製品の説明で国内を飛び回っている。


INDEX
第5回:StarTeamのカスタマイズ
今回は
  既存プロパティの修正
  新規プロパティの追加
  フォームのカスタマイズ