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IdbAで構築する生産性が高いリッチクライアント
第5回:開発生産性を向上するIdbA R2.0と、その方向性
著者:
サイオ 柏 貴光
2006/2/21
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設計〜コーディング〜配布までをシームレスに繋ぐモデリング・ツール
コンポーネント開発はIdbAでの開発において基本であり、R2.0では新たにコンポーネントの関連図をGUIで描けるツール(Eclipseプラグイン)を提供しています。
コンポーネントとコンポーネントの依存関係を線で繋いで作成した依存関連図から、必要となるJavaのテンプレート・ソースコード/ビルドするためのAnt用スクリプトファイル/アプリケーション配布のためのJava Web Start用設定ファイル(JNLP)を自動生成します。
この機能により、GUIで描かれたコンポーネント関連図から開発チーム内で設計情報の共有がはかれることはもちろん、設計からアプリケーション配布までの生産性が飛躍的に向上します。
もちろん、コンポーネントの一部だけを修正・更新したいといった場合は、差分でコンポーネントを作成することもできますので、作業負荷や管理負荷を下げることができます。
図2:モデリングツール
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
豊富な通信機能
前バージョンから実装され、いまやIdbAの外部サーバとの接続容易性を実現する上で欠かすことのできないスクリーンスクレーピングライブラリです。今回のバージョンアップにおいては根本的な見直しをはかり、大幅に機能強化いたしました。セッション関連を扱うコネクション部分とページ解析を行うスクレーピング部分は引き続き明確に分離され、高機能かつ自由度の高いライブラリとなっております。
単純なWebページであれば数行のコードを書けば連携が可能であり、複雑な構成でも各タグに対応したハンドルクラスにより直感的で精度の高い解析が可能となっています。
もちろんSOAPへも対応しており、先のコンポーネントモデリングツール上でGUIでWSDLを指定すればSOAPクライアントのスタブコードを自動生成し、コンポーネントとして利用可能な形となります。また、REST型やFTPへの対応など、豊富な通信機能を提供しています。
IdbAが見据える新しい可能性「真にリッチなクライアント」とは
表現力と操作性をリッチにするだけでリッチクライアントの課題はすべて解決されるのでしょうか。
日本はインターネットの世帯普及率は82.8%となり、ブロードバンド世帯普及率も36.2%とまさしく通信大国となり、外部サーバなどの離れた場所にあるサービスを気にせず利用できる環境がほぼ整ってきています。
このような現状を受け、最近ではクライアント上でSOAを実現する動きが出てきており、リッチクライアントという分野も「SOA」と「表現力(ユーザエクスペリエンス)」に二極化するような流れとなってきています。
この動きは現状の各製品の分析として非常に適切ではありますが、ユーザの視点からすると、「アーキテクチャは何でもよいので、使いやすいものを使いたい」、つまり、「表現力が高く、なおかつサービスを用途に合わせて組み替えたい」というのが率直な意見といえるでしょう。
図3:IdbAが目指す方向性
現在、IdbAはこの要求の実現へ着実に向かっています。そう遠くない将来にあらためて発表させていただくことができる予定です。今回のバージョンアップにより開発生産性を向上させ、さらにもう一歩進んだ環境の実現へ向けて進むIdbAにご期待ください。
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著者プロフィール
株式会社サイオ 柏 貴光
大阪の大学を卒業後、SI企業に入社。SEとしてオープン系システムの設計、開発から導入までを幅広く行う。2005年4月にサイオへ入社し、IdbAの可能性を世に広めるためライセンシング事業の立ち上げに尽力する。IdbA製品企画を担当する傍ら、同社のメールサービス「SCIO RHYTHM」の編集長も手がける。また、Linuxコンソーシアム・リッチクライアント部会リーダーを務める一方、運営委員メンバーとして広報を兼任し、同コンソーシアムが発行するメールマガジンの編集長を担当している。
INDEX
第5回:開発生産性を向上するIdbA R2.0と、その方向性
リッチなのは画面だけでよい?
自由度とセキュリティのトレードオフ
IdbA R2.0の新機能
設計〜コーディング〜配布までをシームレスに繋ぐモデリング・ツール