第3回:Oracle Clusterwareのインストール (1/3)

最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC
最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC

第3回:Oracle Clusterwareのインストール
著者:日立システムアンドサービス  熊川 哲也   2006/7/24
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Oracle Clusterwareインストール

   今回から実際にOracle Clusterware(以下、OCW)のインストールについて解説していきます。

   Oracle Database 10g Release2には、システムの検証を実行するクラスタ検証ユーティリティ(以下、CVU)が搭載されています。これはクラスタが適切に構成されているかどうかを事前に検証し、インストールの失敗およびデータベース作成の失敗を回避するためのツールです。CVUで確認できる検証内容は次の通りです。
  • Oracle Clusterwareのインストール要件を満たしているかの確認
  • Oracle RACをインストールする要件を満たしているかの確認
  • Oracle RACのデータベースを作成するための要件、またはデータベース構成を変更するための要件を満たしているかの確認

表1:CVUで確認できる検証内容

   このようなツールを活用することで、Oracle RACの設定などの最終確認を効率的に行うことができます。


OCWインストール要件の確認

   CVUを利用して、OCWインストール要件を確認します。ここからの操作は1台のサーバのみで行います。なお本連載では、srv01サーバ上での操作を前提とします。

   rootユーザでOracle Database 10g Release2のCD-ROMまたはDVDのマウントを実行します。

CD-ROMまたはDVDのマウントコマンド
# mount /mnt/cdrom

   コマンドの入力後、rootユーザでCD-ROMまたはDVDが正常にマウントされていることを確認します。

CD-ROMまたはDVD のマウント確認コマンド
# df

   CD-ROMまたはDVDの準備が完了したら、OCWインストール要件を確認するコマンドをユーザ「oracle」で実行します。

OCWインストール要件の確認コマンド
$ /mnt/cdrom/clusterware/cluvfy/runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n srv01,srv02 -verbose

   コマンド実行後、問題がなければ「システム要件が合格しました 'crs'」と表示されます。

OCWインストール要件確認コマンド実行例
[oracle@srv01 oracle]$ /mnt/cdrom/clusterware/cluvfy/runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n srv01,srv02 -verbose
 ・
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チェック: "oinstall"のグループの存在
ノード名 ステータス コメント
------------ ------------------------ ------------------------
srv02 存在します 合格
srv01 存在します 合格
結果: "oinstall"のグループの存在チェックに合格しました。
チェック: "nobody"の既存ユーザー
ノード名 ステータス コメント
------------ ------------------------ ------------------------
srv02 存在します 合格
srv01 存在します 合格
結果: "nobody"の既存ユーザーチェックに合格しました。
システム要件が合格しました 'crs'
クラスタ・サービス設定の事前チェックは成功しました。
[oracle@srv01 oracle]$

   コマンド実行後、「プライベート・インターコネクトに適したインターフェースのセットが見つかりませんでした。」というメッセージが出力されることもありますが、特に問題はありません。

   また、外部通信用(パブリック)で使用しているIPアドレスの範囲によっては、「パブリック・インターコネクトに適したインターフェースのセットが見つかりませんでした。」というメッセージが出力されます。

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日立システムアンドサービス 熊川 哲也氏
著者プロフィール
日立システムアンドサービス  オープンソリューション本部
カスタマサポートセンタ   熊川 哲也

Oracle Ver 6 の頃からOracle製品に携わり、Oracle製品のサポートおよびビジネスパートナーへの技術支援などの業務に従事している。プロフェッショナルとして、お客様やビジネスパートナーの期待に応えるサービスを提供できるよう常日頃から心がけている。


INDEX
第1回:Linux上で利用するOracle RACのメリット
Oracle Clusterwareインストール
  共有ディスクの確認
  前提条件の確認
最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC
第1回 Linux上で利用するOracle RACのメリット
第2回 押さえておくべき基本設定
第3回 Oracle Clusterwareのインストール
第4回 Oracle Clusterwareインストール後の設定と確認
第5回 Oracleソフトウェアのインストールと設定
第6回 サーバダウン時のOracle RACの可用性
第7回 Oracle RACのパフォーマンスチューニング
第8回 Oracle RACコンポーネントの管理
第9回 Oracle RACのノード追加手順
第10回 Oracle RACの拡張機能と更なる進化

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