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最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC
最大限の可用性とスケーラビリティを実現するOracle RAC

第3回:Oracle Clusterwareのインストール
著者:日立システムアンドサービス  熊川 哲也   2006/7/24
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Oracle Clusterwareインストール

   今回から実際にOracle Clusterware(以下、OCW)のインストールについて解説していきます。

   Oracle Database 10g Release2には、システムの検証を実行するクラスタ検証ユーティリティ(以下、CVU)が搭載されています。これはクラスタが適切に構成されているかどうかを事前に検証し、インストールの失敗およびデータベース作成の失敗を回避するためのツールです。CVUで確認できる検証内容は次の通りです。
  • Oracle Clusterwareのインストール要件を満たしているかの確認
  • Oracle RACをインストールする要件を満たしているかの確認
  • Oracle RACのデータベースを作成するための要件、またはデータベース構成を変更するための要件を満たしているかの確認

表1:CVUで確認できる検証内容

   このようなツールを活用することで、Oracle RACの設定などの最終確認を効率的に行うことができます。


OCWインストール要件の確認

   CVUを利用して、OCWインストール要件を確認します。ここからの操作は1台のサーバのみで行います。なお本連載では、srv01サーバ上での操作を前提とします。

   rootユーザでOracle Database 10g Release2のCD-ROMまたはDVDのマウントを実行します。

CD-ROMまたはDVDのマウントコマンド
# mount /mnt/cdrom

   コマンドの入力後、rootユーザでCD-ROMまたはDVDが正常にマウントされていることを確認します。

CD-ROMまたはDVD のマウント確認コマンド
# df

   CD-ROMまたはDVDの準備が完了したら、OCWインストール要件を確認するコマンドをユーザ「oracle」で実行します。

OCWインストール要件の確認コマンド
$ /mnt/cdrom/clusterware/cluvfy/runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n srv01,srv02 -verbose

   コマンド実行後、問題がなければ「システム要件が合格しました 'crs'」と表示されます。

OCWインストール要件確認コマンド実行例
[oracle@srv01 oracle]$ /mnt/cdrom/clusterware/cluvfy/runcluvfy.sh stage -pre crsinst -n srv01,srv02 -verbose
 ・
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チェック: "oinstall"のグループの存在
ノード名 ステータス コメント
------------ ------------------------ ------------------------
srv02 存在します 合格
srv01 存在します 合格
結果: "oinstall"のグループの存在チェックに合格しました。
チェック: "nobody"の既存ユーザー
ノード名 ステータス コメント
------------ ------------------------ ------------------------
srv02 存在します 合格
srv01 存在します 合格
結果: "nobody"の既存ユーザーチェックに合格しました。
システム要件が合格しました 'crs'
クラスタ・サービス設定の事前チェックは成功しました。
[oracle@srv01 oracle]$

   コマンド実行後、「プライベート・インターコネクトに適したインターフェースのセットが見つかりませんでした。」というメッセージが出力されることもありますが、特に問題はありません。

   また、外部通信用(パブリック)で使用しているIPアドレスの範囲によっては、「パブリック・インターコネクトに適したインターフェースのセットが見つかりませんでした。」というメッセージが出力されます。

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日立システムアンドサービス 熊川 哲也氏
著者プロフィール
日立システムアンドサービス  オープンソリューション本部
カスタマサポートセンタ   熊川 哲也

Oracle Ver 6 の頃からOracle製品に携わり、Oracle製品のサポートおよびビジネスパートナーへの技術支援などの業務に従事している。プロフェッショナルとして、お客様やビジネスパートナーの期待に応えるサービスを提供できるよう常日頃から心がけている。


INDEX
第1回:Linux上で利用するOracle RACのメリット
Oracle Clusterwareインストール
  共有ディスクの確認
  前提条件の確認