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PostgreSQLの保守を便利にするDB Maintenance&DB Monitor

著者:NECソフト  千葉 富久美   2007/7/27
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オープンソースデータベースを便利にするツールを活用する

   オープンソースデータベース(以下、OSSDB)は近年、機能的にも性能的にも充実してきており、エンタープライズ分野でも導入が進んできました。日本ではPostgreSQL、MySQLがその2大データベースと考えられます。これらを使用する際の注意事項を考えてみます。
PostgreSQL/
MySQL共通
ディスク領域管理 パーティションの容量監視はデータベース側では行わないため、OSなどの機能を使用して監視する。
ログ管理 ローテーション設定とログサイズ確認を行い、領域を使い切らないようにする。
起動失敗のような、ログにのみ出力されるエラー、ワーニング、ヒント情報をフォローする。
セキュリティ 監査(Audit Log)機能がない。
運用や障害の監視機能 自作スクリプトなどによる監視が必要。3rd Party製品も出てきているが定番はない。
PostgreSQLのみ VACUUM/ANALYZEの定期実行 コンカレントVACUUMのみの運用を行う場合、定期的に表のファイルサイズをチェックする。

表1:PostgreSQL、MySQLを利用する際の注意事項

   OSSDBは商用データベースと比較して運用や保守に関しての機能が弱いため、それをなんらかの手段で補う必要があります。ここでは商用製品となりますが、PostgreSQLの保守を便利にするツール「InfoFrame DB Maintenance」とPostgreSQLやMySQLを同じインターフェースで監視するツール「InfoFrame DB Monitor」を紹介します。


InfoFrame DB Maintenanceとは

   InfoFrame DB Maintenance(以下、DB Maintenance)は、高速データセーブ・ロード機能、診断機能、修復機能のコマンド群からなるツールです。いくつかの特徴を紹介しましょう。



高速データセーブ・ロード

   ブロックイメージでのアクセスにより、高速なデータのセーブ・ロードが可能です。入出力ファイルの形式は、CSVと独自ファイル形式があります。定期バックアップなど、他システムへのデータ移行を想定しない場合、独自ファイル形式を使用するとより高速データのセーブ・ロードが可能です。

   PostgreSQLに付属するCOPYコマンドはインデックスがあると非常に遅くなります。そのため、全インデックスをDROPしてデータロードし、その後インデックスを再作成するという手順をとることが多いと思われます。DB Maintenanceではデータ作成と同時にインデックスを作成するので、インデックス定義があっても高速に処理することができます。

   その際、インデックスデータにあわせたインデックス作成用ソートメモリサイズを指定することでチューニングが可能です。またLinux版ではインデックスの作成をパラレルで実行することもできます。

   データロード時には各種の制約チェックを行い、一意制約やCHECK制約などのエラーとなったレコードは別のファイルに出力し、正常なデータのみでデータロードを完了します。CSVファイルからデータロードする際には、ロードを行う列の指定や順序の変更、列の範囲なども設定可能です。

COPYコマンドとの比較
図1:COPYコマンドとの比較
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

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NECソフト株式会社 千葉 富久美
著者プロフィール
NECソフト株式会社  千葉 富久美
PFシステム事業部所属
メインフレームのデータベース開発・保守・技術支援、PostgreSQLの技術支援・保守サポートを担当してきました。2007年度から、NECのデータベース関連製品全般のプリセールスを行っています。


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