クライアント型SOAとは
サーバ型とクライアント型SOAの違い
続いて、サーバ型のSOAとクライアント型SOAの違いを述べます。
サーバコストの違い
従来のサーバ型のSOAがサービスの組み替え・共通化を行うミドルウェアがサーバ側にあるのに対して、クライアント型ソリューションはそのミドルウェアが利用者のクライアント側に存在することです。
これにより、利用者のアクセスが集中する大型のサーバシステムを構築する必要がなく、既に利用者が集中的にアクセスすることを想定して構築された既存のサーバ環境との二重投資を回避できます。つまり、既存のサーバ環境をそのまま いかした、分散環境でのSOA対応システムを構築することができるのです。
接続容易性の違い
サーバ型のSOAのソリューションのほとんどが、サーバ直結型のインターフェイスを必要することに対して、クライアント型SOAではサイオの技術(サイオIdbA Webスクレイピング機能)を使用した場合、サーバ側のユーザインターフェイスをそのまま流用するために、短期間でのシステム開発が可能です。
分散型のシステムということでクライアント側(分散側)のメンテナンスが気になると思います。しかしサイオのIdbAを利用したクライアント型のSOAはメンテナンス性が向上されています。
SOAクライアント上で構築されるソフトウェアはすべてコンポーネント化されており、SOAクライアント上でダイナミックに連携できるために、ソフトウェア更新のためのメンテナンス・コストはサーバ側と比較して同等以下です。
また、サイオ独自の技術により、ソフトウェア(コンポーネント)の更新時に再立ち上げを必要としていないために、利用者にメンテナンスのストレスをほとんど与えることがありません。
クライアント型SOAのメリット
- SOA本来の目的である、サービス・オリエンテッドなシステムをコンポーネント化の技術により可能にします
- SOA対応のシステムがコンポーネント化されているために、柔軟なシステム改変とメンテナンス性の向上が可能です
- 既存のシステムに手を加えない分散システムによる、ローコストかつ短期間でのシステム構築と既存システムの再利用(継続利用)が可能です
最後に
次号では今回説明しました、クライアント型SOAの実装系について、実際の採用事例を元に工夫した点と苦労した点を解説します。
次回をご期待ください。