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オープンソース帳票システム
第8回:ピボットテーブル(後編)
著者:
ビーブレイクシステムズ 横井 朗
2005/4/25
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ワークブックを生成する
こんにちは。ビーブレイクシステムズの横井です。今回はHSSFというPOIに含まれるExcel操作用のコンポーネントを使用して、分析用のExcelのワークブックを生成する方法について説明します。生成したワークブックを分析するには、第7回で解説したExcelのピボットテーブルの機能を使います。
POIとは
POIはJakartaプロジェクトが提供しているライブラリで以下の表で示す4つのコンポーネントで構成されています。
POIFS(POI Filesystem)
ファイルシステムへの読み書きの機能を提供するコンポーネントで、他のコンポーネントはこのコンポーネントに依存している
HSSF
Excelを操作するためのコンポーネント
HWPF
Wordを操作するためのコンポーネント
HPSF
ExcelやWordファイルに含まれるプロパティを操作するコンポーネント
表:POIのライブラリ
今回は4つのコンポーネントのうち、HSSFについてのみ説明を行います。Excelは既に多くのユーザが基本操作を理解しているため特に教育も必要なく、すぐに使えるというメリットがあります。また、HSSFは分析用の帳票を作成する以外にも様々な用途で利用することができますので、操作方法を理解しておくと様々な場面において作業を効率化できます。
HSSFの使用例
このアプリケーションは入力された注文情報をデータベースに格納するというシンプルなものですが、注文された商品によって入力項目の必須条件、入力不可などの条件が異なっていました。また、データベースに保存する際には正規化された形式になるため確認作業に多くの時間がとられていました。
そこで、入力条件を定義したExcelファイルとデータベースから取得したデータを比較し、異常と思われる項目には色を付けるなどの人間が確認しやすい形に変換して、Excelファイルを出力するテスト補助アプリケーションを作成しました。このテスト補助アプリケーションによりテストの効率・精度が格段に良くなりました。
インストール
POIのプロジェクトページ(
http://jakarta.apache.org/poi/
)から最新バージョンをダウンロードし、任意のパスに展開します。展開したファイル(poi-2.5.1-final-20040804.jar)をクラスパスに追加します。
※注:
本連載ではバージョン2.5.1を使用しています。
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著者プロフィール
株式会社ビーブレイクシステムズ 横井 朗
オープンソース指向技術コンサルタント。Java専門のソフトウェアハウス〜フリーエンジニアを経て現職。帳票開発のみならず、オープンソースを用いたシステム構築を日々提案。なによりもお客様の真のニーズを求めるため社内外でオープンソースに関する啓蒙活動を行う。
INDEX
第8回:ピボットテーブル(後編)
ワークブックを生成する
HSSFの基本
売上一覧の作成
ワークブックの読み込み