ITエンジニアが覚えておきたい英語表現① 社内外の打ち合わせで使える5つの表現
はじめに
英語で話せるようになるためには、文法と単語の知識がとても大切です。そして、それと同じくらい大切なのが「英語の表現」です。表現を覚えて使うだけで、伝えたいことを簡単に、かつ正確に伝えられるようになります。
ITエンジニアが英語を使う際にも同じことが言えるため、英語の表現を覚えるようにしましょう。表現は、場面を選んで、その場面で使えるものをまとめて覚えると効率的です。
今回は「営業との社内の打ち合わせ」や「協力会社との打ち合わせ」など、顧客の要望などを確認する打ち合わせで使える表現を5つ紹介します。
1. 顧客の状況や要望を確認する表現
事前に顧客と打ち合わせをしてきた営業、または協力会社から、顧客の状況や要望を確認する際に使える表現です。
What kind of …, and …? Also, …?
(どのような…、そして…? また…?)
契約が決まる前に、顧客の状況や要望を確認する必要があります。多くの場合、それは営業が顧客と行い、システムを開発するITエンジニアのチームに情報を共有するという流れになります。そのような場面で、SEが情報を尋ねる際に使えるのがこの表現です。
今回の表現には空欄が3つあるため、複数の情報や要望を一度に聞き取る際に有効です。この表現の空欄に入るものは、節(主語+動詞)ということも覚えておきましょう。具体的な例は、下記で確認できます。
聞き取る情報が2つの場合には、「また…?」を意味するAlso…?は省略します。また「どのような…」という種類を尋ねる質問でなく、「何の…」という情報を尋ねる場合、What kind of …でなく、What…に変えることもできます。
それでは、この表現の言い方と短いやり取りを動画で確認してみましょう。動画では、表現の発音を2回確認した後、表現が含まれる短い会話が収録されています。下記の3つのステップに沿って観るようにしましょう。
- 表現が2回読まれるので、発音と抑揚を確認しながらリピート練習する
- 表現が含まれる短い会話の字幕を読み、空欄の埋め方と意味を理解する
- 字幕を読みながら、声に出して会話を練習する
いかがでしたか? ここで、例を入れた表現を確認してみましょう。
What kind of server are they currently using, and which company established the server?
Also, why do they want to replace it?
(今はどこの会社が構築したどのようなサーバーを使われていますか?また、入れ替えを希望しているのは何故ですか?)
2. 自身の理解が正しいか確認する表現
打ち合わせで得た顧客の要望について、自身の理解が正しいかを確認するときの表現です。
Is … what they are looking for?
(先方は…を求めているということですか?)
打ち合わせでは、営業や協力会社が細かい説明をしますが、中には自身の理解が正しいか分からない場合があります。システム開発の際は、顧客が求めているものを正しく理解する必要があります。そのようなときに、この表現を使って自身が正しく要望を理解しているか確認できます。
空欄には名詞を入れます。もし要望が複数ある場合には、下記のように表現を少し変えるだけです。
Are … and … what they are looking for?
それでは、この表現を動画で確認してみましょう。動画を観る際の流れは、1つ目の動画と同じです。
例を入れた表現を確認してみましょう。
Is expandability what they are looking for?
(先方は、拡張性を求めているということですか?)
このように、先方から求められる内容を示す単語を入れて使うことができます。
3. 競合他社の有無を確認する表現
競合他社がいるかを確認する表現です。契約が決まる前の段階では、できるだけ多くの情報を得ることで、顧客に最適な提案ができるようになります。その情報の中には、競合他社に関するものも含まれます。その情報を引き出す際に使えるのがこの表現です。
Are there any competitors in this project?
(本件の提案には競合はいますか?)
この表現は、他の表現と異なり空欄がありません。よって、この表現はこのまま覚えて、正しいタイミングでそのまま使えば良いということになります。
ちなみに、この表現は下記のように単数形で使うのではないかと疑問に思う方も多くおられます。
Is there a competitor in this project?
これも間違いではありません。しかし、競合が1社以上の可能性がある場合は、通常名詞部分(competitor)を複数にして聞くことが自然です。これは、「何かがある・いる?」と質問をするIs there/Are there…?という表現に共通するものなので、ぜひ覚えておきましょう。
それでは、この表現を動画を確認してみましょう。この動画も、表現の発音や抑揚を確認した後、やり取りを観て練習してください。
表現の確認です。
Are there any competitors in this project?
(本件の提案には競合はいますか?)
この表現も、このまま暗記して使うようにしましょう。
4. 他の要望の有無を確認する表現
打ち合わせで、営業や協力会社から一通り顧客の要望などを確認した後、「このような要望はないのかな?」と疑問に感じられることがあると思います。そうような際に有効な表現です。
Other than …, do they have any other requests? For example, …?
(…の他に、何か先方からの要望はありますか?例えば、…?)
この表現は複雑に見えますが、内容を理解すれば、むしろとても分かり易く効果的な表現です。まず、Other than…の部分で、顧客の要望を理解していることを伝えます。この部分の空欄には、名詞、または名詞句(複数の単語を組み合わせて名詞の役割をする言葉)を入れることができます。
その上で、do they have any other requests?という表現を使い、他の要望があるか確認します。この表現には空欄がないため、そのまま暗記して使えます。
そして、最後のFor example, …を使って、「このようなことも顧客は希望しているのではないか?」と考えられる点を確認します。空欄には単語だけを入れることも、通常の疑問文を入れることもできます。動画では、疑問文を入れるパターンにしています。
それでは、動画でこの表現の発音や抑揚、会話を確認してみましょう。
表現の確認です。
Other than expandability, do they have any other requests? For example, are there any needs for redundancy?
(拡張性の他に、何か要望を聞いていますか? 例えば、システムの冗長化を図りたいなど。)
少し長い表現ですが、こちらの例文を見てしっかり使えるようにしておきましょう。
5. 知りたい情報について尋ねる表現
打ち合わせでは、気になる点が出てくることがあります。内容によっては、現時点の顧客との打ち合わせでは得られなかった情報ということもあります。そのような情報を知っているか確認する際に使える表現です。
Any ideas on …?
(…はどのように考えられていますか?)
この空欄には、名詞、または名詞句を入れます。この表現は元々Do you have any ideas on…?(…はどのように考えているかあなたは分かりますか?)というものですが、少し短くしてAny ideas on…?
となっています。もちろんDo you haveを入れることもできますが、省略しても意味は変わらないので、社内や協力会社との打ち合わせでは、この表現を使いましょう。発音や抑揚に加え、どのように空欄を埋めるかも含め、動画で確認してみましょう。
表現の確認です。
Any ideas on the delivery date and budget?
(納期と予算はどの程度で考えているのでしょうか?)
この表現は便利ですし、サラッと言えたら格好良いですね。ぜひ覚えて使ってみましょう。
おわりに
今回は、顧客の要望に関して話し合う「営業との社内の打ち合わせ」や「協力会社との打ち合わせ」で使える5つの表現を紹介しました。動画を利用して、それぞれの表現の発音や抑揚、そして空欄に入れるアイデアを含め、どのように会話で使うかも確認して、使えるようにしておきましょう。
英語を話す際には、文法や語彙の知識を増やし、話す練習を行うことが求められます。同時に表現方法を増やすことで、会話が楽になるだけなく、会話の流れがとてもスムーズになります。
まずは、今回紹介した5つの表現を使いこなせるようにしてみてください。