コンテンツ集約と負荷分散
コンテンツ集約と負荷分散
Webクライアントから複数のWebサーバにアクセスするためには、Webサーバごとに付けられたURLのアドレスにアクセスする必要があるため、クライアントの利便性が低下してしまいます。
これを解消するには、複数のWebサーバに対して仮想的なIPアドレスとホスト名を提供する仮想IPサーバや負荷分散装置を設置するのが一般的で す。またこのような複数台のWebサーバが必要になるシステムでは、そのシステム拡張性を考慮して、ブレードサーバに置き換えることが一般的となっていま す。
ブレードサーバは特にWebサーバなどのエッジ系システムでシステム拡張が頻繁なシステムに適しているといえます。以下では、複数のWebサーバをブレードサーバで実現し、さらに負荷分散装置まで含めたシステム構成の一例を示します。
クライアントからのアクセスが増えてくることを想定して負荷分散装置を導入します。負荷分散装置によって振り分けられたWebアクセスのパケットは、複数のWebサーバで処理されます。
Webサーバのコンテンツは外部のファイルサーバが提供しており、Webサーバにコンテンツを提供します。Webサーバの負荷が大きくなり増設が必 要となれば、ブレードサーバを追加することも可能です。Webサーバの設定をすでに施しておいたRHEL4を増設したブレードサーバにデプロイツールで配 布する運用もできます。
Webクライアントについて
Webクライアント側のOSは特に問いませんが、RHEL4 WSをWebクライアントに利用する場合、Mozilla製のブラウザを利用します。RHEL4ではFirefoxが同梱されていますが、Webサーバ側 がSystems Insight Manager(SIM)サーバやRDPサーバなどの管理サーバの場合は、その管理ツールがどのようなWebブラウザをサポートしているかを確認する必要 があります。
Webサーバのテストを行う場合は、Webクライアントから正常にアクセスできるか、Webサーバの負荷分散がうまく機能しているかなど、様々なテストが必要となります。
Webクライアント側のテストツールとしては、Mozilla製のブラウザやInternet Explorerなどが利用されますが、コマンドラインから利用できるlinksコマンドも有用です。ただし、linksブラウザで表示できるコンテンツ がMozilla製のブラウザやInternet Explorerなどの一般的なGUIのWebブラウザで表示できるとは限らないため、linksコマンドを使ってのテストはあくまでも補助的に利用する に留めます。実際のコンテンツ表示可能かどうかのテストは一般的なGUIベースのWebブラウザで行います。
キーポイント
今回のキーポイントは次のようになります。
- Webサーバは複数台設置し、負荷分散、セキュリティ面を考慮する
- DNSサーバによる名前解決が必須である
- Webサーバを複数設置する場合、コンテンツ同期型のシステムは運用管理が煩雑になる傾向がある
- 別途設置したファイルサーバの共有ストレージにWebコンテンツを格納し、一元管理を行う
- Webコンテンツを保管するファイルサーバではHAクラスタ構成が一般的である
- RHEL4 WSのMozillaブラウザ、FirefoxブラウザでWeb閲覧可能
- Webサーバとなる側がSystems Insight Manager(SIM)サーバやRDPサーバなどの管理サーバの場合は、その管理ツールがどのようなブラウザをサポートしているかを確認する必要がある
- RHEL4 WSのlynxテキストWebブラウザも利用可能
- RHEL4 WSにおける主要なWebクライアントソフトウェア:Mozilla、Firefox、links
