改めて知っておきたいRed Hat Enterprise Linux 4 管理編 1

RHEL4におけるパーティション作成とファイルシステム

RHEL4におけるパーティション作成とファイルシステム

内蔵ディスクへOSをインストールする場合や、外部ストレージにアプリケーションを格納するためのデータ領域を作成する場合も、論理ディスク上に OSから認識可能なパーティションを作成する必要があります。パーティションは通常OSの付属コマンドで作成できます。

HP製のSmartArray 6iやSmart Array P600などのいわゆる「cciss系コントローラ」とよばれるアレイコントローラを搭載したProLiantサーバにおいては、OSをインストールする ローカルディスクのデバイス名が「/dev/cciss/cXdX」であらわされます。

fdiskコマンドによるcciss系コントローラ配下の論理ディスクのパーティション作成例:

# fdisk /dev/cciss/c0d0

OSがインストールされた状態で「/dev/cciss/c0d0」にどのようなパーティションが作成されているかを確認するには、fdiskコマンドに -lオプションを付けます。

cciss系コントローラ配下のパーティション情報を確認する方法:

# fdisk -l /dev/cciss/c0d0

下図では、ccissコントローラ配下に72GBのディスクが搭載されている場合に、fdiskコマンドによってパーティション情報を確認する例で す。LinuxのスワップパーティションIDは82番で、Linux用のパーティションIDの83番が付加されていることがわかります。

fdisk -l /dev/cciss/c0d0によりローカルディスクのパーティション情報を表示
図4:fdisk -l /dev/cciss/c0d0によりローカルディスクのパーティション情報を表示
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

ファイルシステムの作成には、mke2fsコマンドを用います。-jオプションによりジャーナリングが有効になるため、ext3ファイルシステムと してフォーマットされます。フォーマットしたパーティションをマウントするには、mountコマンドを用います。mountコマンドには様々なオプション が存在しますが、一番単純な方法は、パーティションとマウントポイントを指定するだけです。

# mount /dev/cciss/c0d0p6 /home1

これにより、/home1以下にデータを格納すると「/dev/cciss/c0d0p6」のディスク領域にデータが書き込まれることになります。 OSが再起動されたあとも自動的に/home1をマウントするようにするには「/etc/fstab」エントリを記述します。

Logical Volume Manager(LVM)によるシステム拡張

ストレージの空き容量がなくなるという問題は、どれだけコンピュータの性能が向上してもついてまわる問題です。管理者はストレージの増強とテープ バックアップ装置へのデータ退避を余儀なくされます。しかし、いざシステムの増強を行おうとしても、ディスクのパーティション設計が固定されてしまってお り、ボリュームの追加ができないなどの問題点が潜んでいる場合もあります。

しかしRHEL4では、ディスクのボリュームの追加や容量拡大を容易にできる「Logical Volume Manager」(LVM)を搭載しているため、空き容量がなくなってきたディスクに対して、新規のディスクを追加することでボリュームの空き容量を増や すことが可能となっています。

ちなみにRHEL3ではLVM1が搭載されていましたが、RHEL4になってLVM2が採用され、さらなる機能拡張が施されています。そのため RHEL4では、標準インストーラを行うとLVMを選択するようになっており、LVMが安定してLinux上で利用できることをうかがわせます。実際、 LVMにはエンタープライズシステムでは欠かせないスナップショットによるバックアップ機能を搭載しており、データベースシステムやSAN環での利用に耐 えられるものになってきています。

RHELにおけるLVM領域の作成は、基本的に3段階のレイヤに分かれます。 ハードウェアに近い層から「LVM物理ボリューム」「LVMボリュームグループ」「LVM論理ボリューム」です。

ファイルシステムからは、LVM論理ボリュームがディスクのボリュームとして見えますので、LVM論理ボリュームをマウントポイントにマウントして利用します。

今回のキーポイント

今回のキーポイントは次のようになります。

  • 小規模システムには、外部SCSIストレージ接続が利用されることが多い
  • 中大規模システムでは、Fibreストレージ接続が一般的である
  • ProLiant内蔵Smart Arrayコントローラ配下のディスクはRHEL4上で「/dev/cciss/cXdY」としてデバイス名が割り当てられる
  • FC HBA配下のFibre Channel接続の外部ストレージのディスクは/dev/sdXとしてデバイス名が割り当てられる
  • RHELでは、Logical Volume Manager(通称LVM)が標準で利用可能である
  • RHEL4のインストール時に、デフォルトのパーティション設定ではLVMになっている
  • LVMでは物理ディスクに対して、下記の3段階のレイヤを作成する 

             - LVM物理ボリューム(pv)

             - LVMボリュームグループ(vg)

             - LVM論理ボリューム(lv)

  •  作成したLVM論理ボリューム(lv)を、マウントポイントとなるディレクトリにマウントする
表2:今回のキーポイント

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