Linux/OSSの導入実態と今後の展望 2

Linuxの基幹システムへの導入に対する課題

Linuxの基幹システムへの導入に対する課題

   約60%存在する、基幹系業務システムへの導入意向がないユーザに対し、その理由を質問した。その結果、「管理者・技術者がいない」が最も多く 49.3%、次いで「既存システムに満足している」が44.1%となっている。さらに「サポートに不安がある」が39.7%で3番目となっている。従来か らLinuxでよく言われていた「業務に適するアプリケーションがない」は21.9%となった。

   Linuxの浸透により、対応アプリケーションの問題は徐々に解消されつつあるようである。そして次のステップである運用段階、特にミッションクリ ティカル性が高い基幹系業務システムにおいて重要な要素となる「管理」と「サポート」に対する不安が浮き彫りになってきている。管理者や技術者の問題は、 エンジニアの育成に少々時間がかかるかもしれないが、ベンダーやSIerによるサポート体制の拡充は急務となっている。

 

基幹系業務システムへLinux導入意向がない理由(複数回答可)
図5:基幹系業務システムへLinux導入意向がない理由(複数回答可)


   現状27.6%の導入率があるLinuxだが、これからもっと普及していくためには基幹シ ステムへの導入によってユーザから信頼を得ることが必要となる。ユーザにおける基幹システムへの導入意向は40%あるが、このユーザをどれだけ取り込める か、また導入意向がないユーザをどれだけ振り向かせることができるかがポイントになる。

   そこで浮き彫りになった課題が管理者・技術者の不在とサポートに対する不安である。Linuxを推奨するベンダーやSIerにとって、これらを如何にして、どれだけ早くクリアするかが今後の課題となるであろう。

   次回は最近注目を集めているオープンソースデータベースに関する調査結果を解説する。

 

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