Linux/OSSの導入実態と今後の展望 2

Linuxの入手方法

Linuxの入手方法

   LinuxはOSSであり、商用ソフトウェアとは違い入手する手段は様々である。そこでLinuxを導入しているユーザに対し、Linuxをどのように入手しているかについて質問を行った。

   その結果、ベンダーからパッケージを購入しているケースが最も多く52.8%となった(図3)。そして次に多いのが、独自にWeb上からダウンロードしているケースで37.5%となっている(この結果には両方の手段を用いているケースも含まれている)。


 

Linuxの入手方法(複数回答可)
図3:Linuxの入手方法(複数回答可)


   ベンダーのパッケージの購入が多いという理由には、サポートサービスが受けられるからとい う背景がある。サポートも無しに、独自にコミュニティサイトなどからダウンロードして社内システムに組み込むことに対する不安が、パッケージの購入につな がっているのではないかと考えられる。

 

Linuxの基幹システムへの導入意向

   前述したように、LinuxはWebサーバなどエッジ系領域ではシェアを獲得しつ つあるが、基幹系業務システムへのLinux導入はまだまだ少ない。Linux導入ユーザにおいては10.2%、全回答者で見ると約3%の導入率でしかな い。しかしLinuxの次のステップとしては基幹系業務システムへ導入し、確固たる実績と信頼を獲得していくことである。すでに金融関係ではいくつか導入 事例も出てきている。

   そこでLinuxの基幹系業務システムへの導入可能性を検証するために、Linux未導入ユーザも含めた全回答者に対し、今後の導入意向についての質問を行った(図4)。

基幹系業務システムへのLinux導入意向
図4:基幹系業務システムへのLinux導入意向


   その結果、「既に導入を検討中」が6.8%、「今後の導入に興味がある」が33.3%とな り、合わせて約40%のユーザが基幹系業務システムへのLinux導入意向を示している結果となった。裏を返せば60%が導入意向はないという結果とも取 れるが、ここでは40%が導入意向を示したことに評価をしたい。Linuxに対する実績と信頼が得られてきている証拠であり、今後の基幹系システムへの導 入に期待が持てる結果である。

   これを業種別に見ると、サービス業と公共では10%以上のユーザが既に検討中となっており、公共では基幹Linuxが徐々に具体化してきている。ま た、Linuxの導入率が最も低かった金融・保険業においては、「導入に興味がある」が約45%となっており、業種中で最も高い結果となっている。銀行で 導入事例が出ているように、金融業で求められるミッションクリティカルな業務にLinuxを導入していこうという姿勢が表れているようである。

 

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