ダウンタイムをゼロにするためのクラスタソフトの導入 1

ファイルシステムリソースの作成

ファイルシステムリソースの作成

   次に、ファイルシステムリソースを作成する。ファイルシステムリソースとは、共有ストレージ上のファイルシステムをクラスタノード間で切り替え可能にする機能を提供する。

   ファイルシステムリソースを作成するにあたり、前提として以下の条件を満たしている必要がある。


  • 共有ストレージが物理的に接続され、各サーバからアクセスできること
  • fdiskなどのユーティリティを使い、共有ディスクがパーティショニングされていること
  • mkfsなどのユーティリティを使い、ファイルシステムが作成されていること
  • 各サーバでファイルシステムをマウント、アンマウントすることができること
表5:ファイルシステムリソースの作成の前提条件

   今回は表5の内容がすべて満たされている状態であることが、すでに確認できているという前提で以降の手順を説明する。

   ファイルシステムリソースを作るためには、稼動系となるサーバでそのファイルシステムをマウントしている状態でなければならない。ここでは、稼動系 サーバlk1上でリソースを作成するため、共有ディスク上のファイルシステム"/dev/sda4"を"/FS"へマウントしている。

「root@lk1 root」# df -h
Filesystem サイズ 使用 残り 使用% マウント位置
/dev/hda2 3.9G 2.9G 865M 77% /
/dev/hda1 122M 14M 102M 12% /boot
none 61M 0 61M 0% /dev/shm
/dev/sda4 14G 33M 14G 1% /FS

   では具体的な作成方法を以下に示す。

   はじめにlk1上でGUIクライアントを起動する。GUIクライアントの上段のメニューバーの「Edit」から「Resource → Create Resource Hierarchy…」を選択する。

   ファイルシステムリソース設定用のウィザードウィンドウが起動してくるので、以下の項目について順に設定する。

ファイルシステムリソース設定用のウィザードウィンドウ
図11:ファイルシステムリソース設定用のウィザードウィンドウ
Select Recovery Kit
「FileSystem」を選択し「Next」を押す。
Switchback Type
デフォルトの「Intelligent」を選択し「Next」を押す。
Server
「lk1」を選択し「Next」を押す。
Mount Point
/FSが選択されているので、そのまま「Next」を押す。
Root Tag
ファイルシステムリソースタグ名を選択するか、入力し「Create」を押す。これは内部的に使用されるほかに、コマンドライン操作時のリソースの識別子としても利用される。
表6:ファイルシステムリソース設定

   ここまでの操作で、まずlk1でファイルシステムリソースが作成される。続けて指示に従い「Continue」を押すと待機系サーバlk2側のファイルシステムリソースの拡張に進む。

 

Target Server
「lk2」を選択し「Next」を押す。
Switchback Type
デフォルトの「Intelligent」を選択し「Next」を押す。
Template Priority
デフォルト値を選択し「Next」を押す。
Target Priority
デフォルト値を選択し「Next」を押す。
表7:待機系サーバlk2側のファイルシステムリソース設定

   ここで、ファイルシステムリソースが「lk2」において拡張可能かどうかチェックが実行される。チェックに問題なかった場合、実際のlk2側へファ イルシステムリソースの拡張に進む。この後はIPリソースの時と同様に進める。リソースの拡張まで完了するとGUIクライアントの左側の 「Resource Hierarchy Tree」にファイルシステムリソースが追加される。

ファイルシステムリソースの作成
図12:ファイルシステムリソースの作成
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   以上により、ファイルシステムリソースを作成することができた。

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