Heartbeatにはない機能
Heartbeatにはない機能
既述からHeartbeatには思ったよりも多くの機能が実装されていると思われたかもしれません。しかし、商用と比べて未実装の機能も若干ありますので、次に説明します。
ディスク監視
クラスタにはパーティション自体が存在しないため、ノードの障害検知はハートビートなどのネットワークに頼る必要があります。また、ディスク自体の 問題をチェックする方法もありません。しかし、サービス監視のためのrespawnを応用すれば実装することができるかもしれません。
GUIを使用した管理機能
商用のクラスタソフトウェアは、一般的にその管理を視覚的にわかりやすく行うために、GUIを用いた管理が可能になっています。しかし、 Heartbeatでは設定と運用をコマンドライン端末から行う必要があります(ただし、v2.0からはWebブラウザを利用した簡単な管理ができるよう です)。
Heartbeatの導入概要
前項で機能の概要については理解してもらえたかもしれませんが、2台のマシンを用意し実際にインストールして試してみるのは、クラスタの性格上大変 かもしれません。よって、ここでは実際のインストールから動作までを確認することで、実際の動作のイメージをつかんでもらおうと思います。
インストール
Heartbeatは一部のディストリビューション(SUSE LINUX)を除いては、基本的に標準でインストールされることはありません。そのため、別途ソースまたはパッケージをダウンロードして導入する必要があ ります。また、動作には別途libnetと呼ばれるネットワーク用のAPIが必要です。
http://linux-ha.org/download/index.html
libnetのダウンロードページ
http://www.packetfactory.net/projects/libnet/※対象ページ閉鎖
それぞれのインストール方法については、ここでは割愛します。
現時点での最新版であるHeartbeat 2.0.2をソースからコンパイルする場合、ディストリビューションによってはエラーが発生することがあるようです。テストで使用してみる場合には、 2.0.0を使用するとよいでしょう。ApacheやSambaをソースからインストールして使用することができるくらいの知識があれば、インストールは まったく難しくないでしょう。