サーバ仮想化について
サーバ仮想化は数年前までエンタープライズサーバでしか実現できなかった機能です。近年、IAサーバを使ったサーバ仮想化が注目を浴びています。テクノロジーの進化により安価なサーバでも仮想化が行えるようになったためです。
テクノロジーの進化によりインフラは整いました。しかしながら、サーバ仮想化に対応できる技術者の数は不足しています。仮想サーバを使うだけならば簡単ですが、いざ構築となると仮想化の考え方を理解している必要があります。
そこでまず今回は、仮想マシンとサーバ仮想化について解説します。
仮想マシンとは
まず仮想マシンとは何でしょうか。仮想マシンとは仮想化技術によって物理的なコンピュータを分割し、その中で独立したOSを持って動作する論理的なコンピュータのことをいいます。簡単にいえば1台のコンピュータで2台以上のOSを動かすことです(図1)。

図1:仮想マシンのイメージ
仮想マシンを作るには仮想マシンソフトウェア(ファームウェア含む)が必要となります。仮想マシンソフトウェアには大きく分けて以下の3つのタイプの実装方法があります。
- ファームウェアタイプ
- ハイパーバイザータイプ
- アプリケーションタイプ
仮想マシンソフトウェアのタイプ
それでは表1にあげた仮想マシンソフトウェアの3つのタイプについて解説します。
ファームウェアタイプ
ファームウェアタイプの仮想マシンは、IBM社のUNIXサーバに搭載されているLPAR(Logical Partitioning)、HP社のUNIXサーバに搭載されているvPars(Virtual Partitions)が有名です。
しかしファームウェアタイプの難点として、CPUはソケット単位、デバイスはPCIスロット単位でゲストOSに割り当てないとならないなどの制限があります。

図2:ファームウェアタイプの仮想マシンソフトウェア