Linuxのシステム管理を簡素化するオープンソースのGUI管理ツールWebmin
前回紹介した「YaST」と同様にLinuxシステムの管理をGUIで行うツールとして有名なものに「Webmin」があります。
Webminは、Linuxの様々なシステム設定をGUIで行えるようにする管理ツールです。Webminを導入することにより、コマンドラインに不慣れな管理者も簡単にLinuxシステムを管理できるようになります。
WebminはLinux OSまわりのシステム管理を集中的に行えるGUIインターフェースを備えています。SUSEにおけるYaSTのようなOS全体を1つのツールで管理したい という使い方をRed Hat系OSで実現してくれるツールといえるでしょう。Red Hat系とSUSE系のディストリビューションで動作可能です。またRPMパッケージも提供されており、rpmコマンドで簡単にインストールできます。
Webminは管理対象サーバにインストールし、クライアントPCなどのWebブラウザからアクセスして管理を行うのが一般的です。
Webminのインストール方法
# rpm -vhi webmin-1.360-1.noarch.rpm
このように管理対象サーバでrpmコマンドでインストールすると自動的にRedHat系かSUSE系を判別してインストールされます。
管理対象サーバにWebminをインストールしたらWebブラウザでアクセスします。アクセスするアドレスは以下のようになります。
https://管理対象サーバのIPアドレス:10000 Webminにログインすると、ホスト名、OSの種類、Webminのバージョン、時刻、CPUのロードアベレージ、メモリ使用量、ディスク使用量など、管理対象サーバの概要が表示されます。
管理者はこの画面で基本的な情報を確認します。まずはCPU負荷、メモリ使用量、ディスク使用量に着目し、異常な値が無いかを確認します。いわば管理者がLinuxシステムを管理する上で必要最低限の基本項目がここで確認できるのです。
Webmin管理画面の左側には、Webminで管理する項目が表示されています。項目は非常に多いため、ここではすべてを述べることはできません が、Linuxサーバの管理上重要と思われる項目のみをあげておきます。少なくとも以下の項目はWebmin管理画面で設定できますので、実際にインス トールしてどのような値が設定できるのかを確認してください。
| 設定 | 設定できる項目 |
|---|---|
| Webmin | バックアップファイル、遠隔地のバックアップ保存先の設定 |
| 言語とテーマの設定 | |
| Webminの設定、Webminユーザ設定 | |
| システム | サービスの起動、シャットダウン |
| Linuxユーザ、グループ管理(作成、削除、パスワード変更など) | |
| ファイルシステムのマウント、アンマウント、詳細設定、バックアップ | |
| ログファイルのローテーション設定、syslogによるログ管理設定 | |
| プロセスIDの表示、プロセスのkillやサスペンド、nice値の変更 | |
| コマンドのスケジュール実行、cronジョブの設定 | |
| RPMパッケージ検索、RPMパッケージのインストール、ネットワークインストール | |
| SysV initの設定(ランレベルごとの起動スクリプト設定) | |
| マニュアルのキーワード検索 | |
| サーバ | Apache、Bind、DHCP、IMAP/POP3、FTP、MySQL、PostgreSQL、Postfix、sendmail、SSH、Samba、Squidなど |
| ネットワーク | バンド幅モニタリング |
| xinetdサービスの設定 | |
| ファイアウォール | |
| NFSサービス、NFSクライアント | |
| ネットワークインターフェースの設定 | |
| ハードウェア | GRUBブートローダ |
| パーティション設定 | |
| 時刻、タイムゾーン、NTP設定 |
図3はWebminでsendmailを設定する画面です。複雑なサービスもWebブラウザ経由のGUIで簡単に設定できるインターフェースが用意されていることがわかります。


