連載 :
クラウド時代の正しいシステム運用システム全体を階層で理解して「あるべき状態」を知る
2014年6月16日(月)
システム運用の最終目的とは、ターゲットとなるシステムがトラブルなく、定常的に安定してシステムを稼働させ、エンドユーザーにとって、(業務上であるかどうかはともかく)必要不可欠なインフラとしての「機能/サービス」を提供し続けることである。ここで、「機能/サービスを提供し続ける」と一言で言ってみたものの、その意味するところは、システムによって異なる。
ITシステムは、昨今のインターネットの中心であり、次のような様々なケースが考えられる。
- 常に誰かが利用している可能性のある、世界中にサービスを提供しているWebサービスを始めとして、24時間365日稼働し続けることが当たり前であるもの。
- サービスの停止そのものがビジネスチャンスの喪失を意味するEコマースや、国内企業の社内人事システムや経理システムなどのように業務時間(+α)だけサービスを提供できればいいもの。
- 確定申告に代表される納税関連やキャンペーンサイトのような、ある特定の期間限定で稼働するシステム。
一方、システム運用の立場では、システムが「あるべき機能/サービス」を提供し続けること、すなわち、「そのシステムが正常に稼働し続ける」こととはどのような状態を指すのかを、正確に理解することが重要である。
これまで、システムの運用設計に必要な要素や考え方、ツールについて、述べてきたが、ここからは、それらを利用したシステム運用の実践について紹介していく。
まず、システム運用エンジニアに必要な「技術的なスキルセット」を押さえる。これは、個々のシステムやサービスの事情に特化したものではなく、「システム運用」全般を見たときに、共通的に必要になる技術である。これらを踏まえたうえで、さらにいくつかの具体的事例を取り上げ、21世紀型の実際のシステム運用を紹介していこう。
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