仮想化ホスティング基盤を支える技術 3

ハイパーバイザー選択の戦略(2ページ目)

KVMを管理するツールは、非常にたくさん存在しており、どのツールを使えば効率的に管理できるのか迷うところですが、管理ツールの詳細は、こちらのページにまとめられていますので、参考にしてください。

KVM管理ツール1:OpenQRM

OpenQRMは、データセンターの業務を一つのアプリケーションで管理するというコンセプトで 設計されています。複雑なデータセンター業務を、コンポーネントごとに分けて、プラグインの組み合わせで業務ができるようになっています。

データセンター業務の中のひとつとして、仮想化という業務が存在し、さらに仮想化の中には、今回紹介するKVMの管理だけでなく、VMwareやXenなどの仮想サーバーも管理できるようになっています。他にも、DNS,Natios,nfs-storageなど、たくさんのプラグインが用意されています。 詳細は、openQRM Pluginsのページを参照してください。

ここでは、openQRMの機能の中で、KVM関連の機能に着目して説明していきます。

OpenQRMのPluginは、管理画面のPlugin Manager(図3)で管理します。

図3:Plugin Managerの画面

図3:Plugin Managerの画面(クリックで拡大)

OpenQRMを使ってKVMを管理するために必要なプラグインは、以下の通りです。

  • cloud:仮想マシンの自動生成ツール
  • dhcp:仮想マシンにIPをDHCPで付与する
  • image-shelf:仮想マシンのイメージをイメージサーバーからダウンロードする
  • kvm:仮想マシンの管理
  • lvm-storage:仮想マシンのストレージの作成
  • sshterm:仮想マシンのコンソールにアクセスするツール
  • tftpd:ホストマシンに仮想マシンのカーネルを自動でアップロードするツール

他にも、kvm-storageを使う場合もあります。

プラグインを利用するには、プラス(+)のマークをクリックします。そして、右側にあるStartedの列のボタンを押して有効化します(ボタンのイメージが紛らわしいので注意が必要です)。KVMで仮想マシンの作成・管理する方法にもいろいろとありますが、今回は、仮想マシンの自動生成について説明していきます(図4)。

図4:OpenQRMを使ったサーバー自動構築流れ

図4:OpenQRMを使ったサーバー自動構築の流れ

前準備では、自動構築の環境を構築するためにホストOSの準備とマスターになる仮想マシンの準備をします。これが終わると、自動構築の作業ができるようになります。図4の自動構築フローの中にある、「仮想マシン作成」のスクリーンショットが図5になります。

図5:仮想マシンの作成画面

図5:仮想マシンの作成画面(クリックで拡大)

この画面で、仮想マシン作成に必要なパラメータ設定をします。

設定が終わったら、「create」ボタンを押すと、申請状態になります。この状態で、ホスト管理者が承認をするとサーバーの自動構築が始まります。OpenQRMでは、承認フローを利用するかどうかを設定画面で制御できるようになっており、このような承認フローを省略することも可能です。

「仮想マシン作成者」と「ホスト管理者」のやりとりは、 プライベートクラウドを作成したり、クラウドサービスを提供する場合に必要になってくるのですが、これらのフローがopenQRMのプラグイン(cloud)として提供されています。

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