OTRSの変更管理(後編)

2012年2月24日(金)
櫻井 耕造

変更の確認ビュー

OTRSでは、変更の起案や変更の状態を確認するための操作として、7パターンを用意しています。「変更」をクリックして、次の7項目から選択していきます。

顧客による変更の内容確認

システム運用をアウトソーシングしている企業などでは、運用担当者が変更を計画して、その変更に対して顧客が変更諮問委員会となるケースがあります。OTRSでは、顧客がWebインタフェースで承認、確認を行うことが可能です。

顧客に対して変更を公開するには、まず「管理」の「システムコンフィグ」をクリックして、操作欄で「ITMS Change Management」を選択します。次に、サブグループ内の「Frontend::Customer::ModuleRegistration」をクリックし、「CustomerITSMChangeSchedule」をチェックします。

図5:顧客向けWeb画面に変更を表示(クリックで拡大)

終わりに

全8回に渡って連載してきた「OTRS入門-クラウド時代の運用管理をITILで最適化する-」はいかがだったでしょうか。

連載で示したように、OTRSによるシステム管理の設定は、約93%がWebインタフェースで実行でき、コマンドによる管理は7%にとどまっています。しかし、OTRSの設定項目は3,000個を超えるため、本連載では基本的な機能に絞って解説を進めました。OTRSを試用すれば、その機能の多様性・実用性を実感してもらえると思います。

OTRSはプロジェクトがスタートしてから10年あまり経過し、海外では多数の大手企業が積極的に採用しています。そうした実績があるにも関わらず、日本ではまだ知名度が低いのが実情です。その最大の理由は、ツールとマニュアルのローカライズが進んでいなかったことだと、筆者は考えています。現状でも、細かい設定部分には未翻訳の箇所があるので、今後もローカライズを進めていく予定です。

本連載の終了と同時の今月14日にOTRS 3.1の新バージョンがリリースされました。新バージョンの機能は、TIS技術ブログ(Tech-Sketch)で紹介しているので、参考にしてください。
→参考:OTRS 3.1ヘルプデスクの新機能について

最後に、OTRS AGによるこの先2年間ほどのロードマップを少し紹介します。ITILv3の機能拡張に関しては、ナレッジ管理の機能拡張、リリース管理および展開管理の機能追加、キャパシティ管理の機能追加などが計画されています(計画変更はあるかもしれません、あくまで予定です)。今後も、OTRSの動向に注目してください。

(1)一覧
すべての変更が一覧画面に表示され、カラムごとに昇順または降順で並べ替えることが可能です(図4)。

図4:変更の一覧表示(クリックで拡大)
(2)新規
変更を新規で起案するときに選択します。
(3)スケジュール
「承認済み」状態の全変更、つまり変更待ちのものが表示されます。
(4)サービスの予想可用性(PSA)
サービスの予想可用性について承認済みの全変更が表示されます。
(5)導入後のレビュー(PIR)
「導入後のレビュー」タイプの作業依頼書が表示されます。管理者が変更作業を実施した後に確認するのに利用できます。
(6)テンプレート
OTRS内で定義された全テンプレートが表示されます。
(7)検索
特定の検索基準に合致する変更または作業依頼書を探す際に利用します。
TIS株式会社 IT基盤サービス本部 DCアウトソーシング第1部 主任

システム運用、システムインテグレーションなどを経験後、TISの先端技術センターにてOTRSのR&Dを実施。OSS保守サービス「Tritis」の事業を企画し、事業の中核であるOTRSを2011年8月にOTRS AG(ドイツ)による国内初のOTRS認定技術者となる。

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