Windows 8のタイルに地震情報を表示するプログラムを作る

2013年4月22日(月)
薬師寺 国安

今回は当日発生した地震の情報をタイルに表示して(図1)、タイルをタップするとWebブラウザが起動して詳細情報を表示する(図2)プログラムを紹介していきます。

※Webブラウザでの表示は、アプリ認定の要件である、「2.4 アプリで提供されるプライマリ エクスペリエンスはアプリ内で行われなければならない」の項目に引っかかり、リジェクトの原因になります。その対応策として、筆者は下記のように「担当者へのコメント」に書いています。
「ブラウザでの表示があくまでも補助的機能で、メインは地震の情報をタイルで表示させることにあります。」この一文を追加しておくと認定されました。

図1:当日発生した地震の情報がタイルに表示されている(クリックで拡大)
図2:タップしたタイルの詳細データがWebブラウザで表示されている(クリックで拡大)

実際に動かした動画は下記のようになります。スマホで撮影したため、見難い点はご了承願います。

サンプル一式は、会員限定特典としてダウンロードできます。記事末尾をご確認ください。

プロジェクトの作成

VS 2012のメニューから[ファイル(F)/新規作成(N)/プロジェクト(P)]と選択します。次に、「テンプレート」から「Windows ストア」を選択し、右に表示される項目名から「新しいアプリケーション(XAML)」を選択します。「名前(N)」に任意のプロジェクト名を指定します。ここでは「EathQuakeInfo」という名前を付けています。

ソリューションエクスプローラー内にImageというフォルダを作って、右隅下に配置する画像を取り込んでおきます。ダウンロードされたサンプルファイルには画像ファイルは追加済みです。

NuGetパッケージの管理

今回もCodePlexで公開されている、WinRT XAML Toolkitに含まれているコントロールを使用します。WinRT XAML Toolkitについては下記のURLを参照してください。
→ WinRT XAML Toolkit

前回の「Windows8のストア画面で手軽に時計を表示するサンプル」で、WinRT XAMLToolkitに関するコントロールはすでにツールボックスに表示されているはずなので、今回は、ツールボックスから必要なコントロールを配置するだけでかまいません。もし、WinRT XAML Toolkitに関するコントロールがツールボックスに追加されていない場合は、上記の記事を参考に追加してください。またWebBrowserコントロールが表示されない場合は、再度NuGetからインストールし直してください。

コントロールの配置

ツールボックスからデザイン画面上にTextBlockコントロールを1個、ScrollViewerコントロールを1個配置し、その子要素としてGridViewコントロールを1個配置します。

Frame、Button、Imageコントロールを1個ずつ配置します。

書き出されるXAMLコードをリスト2のように編集します。レイアウトは図3のようになります。

リスト1 書き出され編集されたXAMLコード(MainPage.xaml)

  • (1)プロパティ要素内に、Key名がGridViewTemplateという要素を配置します。その子要素として要素を配置し、背景色にSilverを指定し、Marginプロパティに5を指定して余白を設けます。
    さらにその中に要素を配置し、背景色にBeigeを指定します。その子要素としてTextBlock要素を配置し、Textプロパティにtitleをバインドします。文字色にはCrimsonを指定します。
    さらに要素を配置し、背景色にWhiteを指定します。その子要素として要素を配置し、Textプロパティにdescriptionをバインドします。文字色にはNavyを指定します。ここでバインドする名称はVBコード内で定義されたプロパティ名です。
  • (2)地震の発生した日付を表示する要素を配置します。
  • (3)要素を配置し、HorizontalScrollBarVisibilityにVisibleを、VerticalScrollBarVisibilityにVisibleを指定して、横のスクロールと縦のスクロールを可能にします。
  • (4)(3)の要素の子要素として要素を配置します。FlowDirectionプロパティにLeftToRightを指定し、左から右に向かって表示されるようにします。ItemTemplateプロパティにStaticResourceを使って(1)で指定したGridViewTemplateを参照させます。
  • (5)要素を配置しています。この中にWebブラウザのページを表示させます。
  • (6)
  • (7)要素を配置し、SourceプロパティにImageフォルダ内の画像を指定します。
<Page
  x:Class="EarthQuakeInfo.MainPage"
  xmlns="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml/presentation"
  xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
  xmlns:local="using:EarthQuakeInfo"
  xmlns:d="http://schemas.microsoft.com/expression/blend/2008"
  xmlns:mc="http://schemas.openxmlformats.org/markup-compatibility/2006"
  mc:Ignorable="d">
  <Page.Resources>■(1)
    <DataTemplatex:Key="GridViewTemplate">■(1)
      <StackPanel  Width="320" Background="Silver" Height="Auto" Margin="5">■(1)
        <StackPanel Width="320" Background="Beige">■(1)
          <TextBlock Text="{Binding title}" Width="280" TextWrapping="Wrap" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="22" Foreground="Crimson" Height="Auto"/>■(1)
        </StackPanel>
        <StackPanel Width="320" Height="Auto" Background="White">■(1)
          <TextBlock Text="{Binding description}" Width="280" TextWrapping="Wrap" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="20" Foreground="Navy" Height="Auto"/>■(1)
        </StackPanel>
      </StackPanel>
    </DataTemplate>
  </Page.Resources>
  <Grid Background="{StaticResourceApplicationPageBackgroundThemeBrush}" Margin="0,80,0,0">
    <!--<Image Source="Image/news.png" Margin="1119,460,10,0" Width="216" Height="188"/>-->
    <TextBlockx:Name="TitleTextBlock" Margin="63,-70,980,699" FontFamily="Meiryo UI" FontSize="36" FontWeight="Bold" TextAlignment="Center" />■(2)
    <ScrollViewerHorizontalScrollBarVisibility="Visible" Margin="68,104,0,0" VerticalScrollBarVisibility="Visible">■(3)
      <GridViewx:Name="GridView1" HorizontalAlignment="Left" Height="586" VerticalAlignment="Top" Width="1298" FlowDirection="LeftToRight" ItemTemplate="{StaticResourceGridViewTemplate}" />■(4)
    </ScrollViewer>
    <Frame x:Name="myFrame" HorizontalAlignment="Left" Height="688" Margin="68,0,0,0" VerticalAlignment="Top" Width="1298"/>■(5)
    <Button x:Name="backButton"  Style="{StaticResourceResourceKey=BackButtonStyle}" HorizontalAlignment="Left" Height="45" Margin="0,-70,0,0" VerticalAlignment="Top" Width="63"/>■(6)
    <Image Width="290" Height="266" Margin="1066,412,10,10" Source="Image/earthQuake.png" />■(7)
  </Grid>
</Page>
図3:各コントロールを配置した(クリックで拡大)
  • Windows 8のタイルに地震情報を表示するプログラムサンプル

薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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