Kinect v2のカメラから画像を取り込んで表示する基本プログラム

2014年9月10日(水)
薬師寺 国安

カラーフレームが到着した時に発生するイベントの処理

リスト3で指定したイベントハンドラを記述していきます。

リスト4 カラーフレーム到着時のイベント(MainWindow.xaml.vbの一部、リスト3の続き)

    Private Sub myColorFrameReader_FrameArrived(sender As Object, e As ColorFrameArrivedEventArgs)
        Using myColorFrame As ColorFrame = e.FrameReference.AcquireFrame   (1)
            If myColorFrame Is Nothing = True Then
                Return
            End If                              myColorFrame.CopyConvertedFrameDataToArray(ColorImagePixelData, ColorImageFormat.Bgra)   (2)
        End Using
        colorBitmap.WritePixels(New Int32Rect(0, 0, colorBitmap.PixelWidth, colorBitmap.PixelHeight), ColorImagePixelData, colorBitmap.PixelWidth * BytesPerPixel, 0)   (3)
        Image1.Source = colorBitmap   (4)
    End Sub
  1. e.FrameReference.AcquireFrameメソッドでカラーフレームを取得し、myColorFrameで参照します。
  2. CopyConvertedFrameDataToArrayメソッドで、フレームから「BGRA形式」のバイト列に変換し、バイト配列に格納します。書式は下記の通りです。

    CopyConvertedFrameDataToArray(frameData,colorFomat)

    frameDataには格納する配列、この場合は、バイト配列のColorImagePixelDataを指定しています。colorFormatには「色の形式」を指定します。この場合は、「Bgra形式」を指定しています。
  3. colorBitmap(WriteableBitmapクラス)のWritePixelsメソッドで、ビットマップの指定した領域内のピクセルを更新します。書式は下記の通りです。

    WritePixels(sourecRect,pixels,stride,offset)

    「sourceRect」には「Int32Rect型」を指定します。更新するWriteableBitmapの四角形です。「pixels」にはビットマップの更新に使用する「ピクセル配列」を指定します。この場合は、ColorImagePixelDataのバイト列を指定しています。「stride」にはpixels内の更新領域の「ストライド」を指定します。今回はcolorBitmapのPixelWidthに「4」を乗算した値を指定しています。「ストライド」とは、画像データのX座標横一列あたりに用いられるバイト数を示す値です。例えば、横幅が512ピクセルで、RGBA各色8ビット(32ビットカラー)で表現される画像データのストライドは、

    512(ピクセル)×4(バイト)=2048

    となります。今回の場合はRGBカラーの解像度が1920×1080(ピクセル)であるため

    1920×4=7680

    の値がstrideに適用されることになります。「offset」には入力バッファのオフセットを指定します。今回は「0」を指定しています。
  4. Image1のSourceプロパティにcolorBitmapオブジェクトを指定します。これでRGBカメラからの画像が表示されます。

ウインドウが閉じられる時の処理

最後は、ウインドウが閉じられる際の処理です。

リスト5 ウインドウを閉じる際の処理(MainWindow.xaml.vbの一部、リスト4の続き)

Private Sub MainWindow_Closing(sender As Object, e As ComponentModel.CancelEventArgs) Handles Me.Closing
        If myColorFrameReader Is Nothing = False Then
            myColorFrameReader.Dispose()   (1)
            myColorFrameReader = Nothing
        End If
        If myKinect Is Nothing = False Then
            myKinect.Close()   (2)
            myKinect = Nothing
        End If
    End Sub
End Class
  1. ColorFrameReaderをDisposeし、全ての関連付けから解放します。
  2. Kinectセンサーも閉じ、全ての関連付けから解放します。

実行すると図2のように表示されます。

図2: RGBカメラから取得されたColor画像

今回の「Color画像」の表示コードが、Kinectを操作するうえでの基本的な流れになります。以下のような流れになります。

Kinectセンサー
→Openメソッド
→ColorFrameSource
→OpenReaderメソッド
→ColorFrameReader
→FrameArrivedイベント
→ColorFrameReference
→AcquireFrameメソッド
→ColorFrame→CopyConvertedFrameDataToArrayメソッド
→WritePixelsメソッド
→Image1.Sourceに表示

次回は、Depth画像の取り込みに挑戦します。

  • Kinect v2のカメラから画像を取り込むサンプル

    『速攻攻略!Kinect v2』 第2回のサンプルプログラムです。
薬師寺国安事務所

薬師寺国安事務所代表。Visual Basic プログラミングと、マイクロソフト系の技術をテーマとした、書籍や記事の執筆を行う。
1950年生まれ。事務系のサラリーマンだった40歳から趣味でプログラミングを始め、1996年より独学でActiveXに取り組む。1997年に薬師寺聖とコラボレーション・ユニット PROJECT KySS を結成。2003年よりフリーになり、PROJECT KySS の活動に本格的に参加、.NETやRIAに関する書籍や記事を多数執筆する傍ら、受託案件のプログラミングも手掛ける。Windows Phoneアプリ開発を経て、現在はWindows ストア アプリを多数公開中

Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。Microsoft MVP for Development Platforms - Windows Phone Development(Oct 2012-Sep 2013)。Microsoft MVP for Development Platforms - Client Development(Oct 2013-Sep 2014)。Microsoft MVP for Development Platforms-Windows Platform Development (Oct 2014-Sep 2015)。

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