レッドハットが「CCSP」を日本で開始、F5社ら3社がOpenStackクラウド基盤のLBaaS機能を動作検証、ほか

2015年8月7日(金)
吉田 行男

こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。

毎日、暑い日が続いていますが、体調管理は万全ですか?東京では、35度を超える猛暑日の連続記録を更新しています。この暑さもこの週末には一段落するようですが、まだまだ、8月は始まったばかりです。

今週も注目すべきトピックをとりあげましたので、暑さ対策を万全にしていただいて、ゆっくりとご覧下さい。

Windows 10で「Edge」をデフォルトブラウザにしたMicrosoftにMozillaが苦言

7月30日に米国Mozilla財団のCEOであるChris Beard氏が、「Windows 10」における既定プログラムの扱いに関して記述した「MicrosoftのCEOへの公開書簡」をブログに投稿しました。Microsoft社が7月29日にリリースした「Windows 10」では、デフォルトブラウザが同社の「Edge」に設定されていることを問題視したもので、Windows 7/8.1でFirefoxやChromeを使っていても、Windows 10にアップグレードするとデフォルトブラウザがEdgeになってしまいます。Beard氏は、この公開書簡で、「このビジネス戦術を再考し、仕様を分かりやすくすることでユーザーの選択の権利を尊重するよう強く要請する」と述べています。

(参照記事:http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1507/31/news063.html

レッドハット、「認定クラウド&サービスプロバイダープログラム」を日本で開始

7月30日レッドハット(株)は、7月9日にグローバル市場において発表された新たなパートナープログラム、認定クラウド&サービスプロバイダープログラム(CCSP)の日本での正式導入と、このプログラム普及のためのディストリビューター(CCSP-D)として、サイオステクノロジー(株)とソフトバンク コマース&サービス(株)が選定されたことを発表しました。レッドハット社は、2009年から「認定クラウドプロバイダープログラム(CCP)」を全世界で提供してきました。CCSPは、そのCCPの拡大版になり、初年度で300社に拡大することを計画しています。

(参照記事:http://enterprisezine.jp/article/detail/7094

「Apache Spark」がスループットとレイテンシを両立させた仕組み
と最新動向を、「Spark」コミッタとなったNTTデータ猿田氏に聞いた

最近、急速にビッグデータ処理基盤として「Apache Spark」が注目を集めています。「Apache Spark」とは、従来の「Hadoop」が苦手としていたスループットとレイテンシの両立という課題に対応するべく開発されたインメモリ分散処理基盤で、機械学習などの領域で真価を発揮します。その「Apache Spark」のコミッターに(株)NTTデータの猿田氏が今年6月に就任しました。「Hadoop」ビジネスを進めていく上で、複雑な多段ジョブの実現が課題として顕在化したこともあり、1年ほど前から検証を開始しコミュニティに参加するようになったそうです。そのコミュニティ活動の中で、いろいろな課題を実際にパッチなどを提供し解決していくうちにコミッターとして認められ、今回のコミッター就任に至ったそうです。

「Spark」コミッタとなったNTTデータ猿田氏に聞いた(前編)
(参照記事:http://www.publickey1.jp/blog/15/apache_sparksparkntt.html

「Spark」コミッタとなったNTTデータ猿田氏に聞いた(後編)
(参照記事:http://www.publickey1.jp/blog/15/apache_sparksparkntt_1.html

F5とデル、レッドハットの3社、OpenStackクラウド基盤でのLBaaS機能を動作検証

8月3日にF5ネットワークスジャパン株式会社は、レッドハット株式会社、デル株式会社の2社と共同で、OpenStackクラウド基盤における仮想ロードバランサー(Load Balancer as a Service:LBaaS)機能の動作検証を完了したと発表しました。OpenStackのLBaaS利用としては、従来からオープンソースのHAProxyが多く採用されていますが、F5社のBIG-IP仮想アプライアンスを用いることで、ミッションクリティカルシステムで重要となる高可用性、セキュリティ、パフォーマンスなどのネットワーク機能に加え、サーバーに対するきめ細かいヘルスチェック機能やロギング機能を、OpenStackクラウド環境上のサービスとして提供できる点がメリットになるとのことです。

(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20150803_714688.html

運用環境に進出をはじめたオープンソースのSDN「OpenDaylight」
―Tencent、AT&Tらが利用

7月27日から29日まで米国サンタクララで開催された「OpenDaylight Summit」で米国AT&T Labs社のMargaret Chiosi氏が、「OpenDaylightはもう(アイデアだけの)“スライドウェア”ではない。実際に使われている」と述べました。具体的には米国AT&T社をはじめ、米国Comcast社、仏の大手通信キャリアであるOrange社、中国のインターネット大手Tencent社などが既にOpenDaylightを運用環境で利用しています。

(参照記事:http://japan.zdnet.com/svc/nls/?id=35068121

編集後記

高校野球が始まり、本格的な夏の到来を感じさせる今日この頃です。太陽の下で、真っ黒に日焼けした高校球児がグランドを駆け巡るのを見ると、つい応援したくなります。悔いの残らない戦いをし、貴重な経験をしてほしいものです。
さて、来週の「週刊OSSウォッチ」はお休みとさせていただきます。みなさん、熱中症に気をつけて、暑い夏を乗り切っていきましょう。

2000年頃からメーカー系SIerにて、Linux/OSSのビジネス推進、技術検証を実施、OSS全般の活用を目指したビジネスの立ち上げに従事。また、社内のみならず、講演執筆活動を社外でも積極的にOSSの普及活動を実施してきた。2019年より独立し、オープンソースの活用支援やコンプライアンス管理の社内フローの構築支援を実施している。

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