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海運最大手マースク、IoT導入で「石器時代」を生きる業界の進化に貢献できるか

2016年8月21日(日)
ReadWrite Japan

石器時代を生きる海運業界とIoT

デンマークに本社をおく世界最大のコンテナ海運会社 Maersk Line(マースクライン)は、スウェーデンの通信機器メーカーであるEricsson(エリクソン)との提携を発表した。Maerskは、所有するコンテナ船のうち2/3をIoT技術を用いて常時オンライン接続させるとのことだ。

今回、すでにスウェーデンで築かれていた巨大なネットワークとコンテナ船を接続させるのに4年かかったという。Ericssonは、Maerskの顧客に個々の貨物の状態や移動経路を追跡しリアルタイムで情報を提供できる、DSMネットワークを構築した。

「Ericssonは、これまで地上で利用されていたDSMネットワークプロバイダから提供される機能を我々の求める機能に変換してくれた。そして、それこそが世界最大の海上DSMネットワークなのである」とMaerskの船舶管理長 ニールス・ブルース氏は言った。

ブルース氏は、今回の取り組みをEricssonとの長いパートナーシップの始まりとみている。この2つの企業は、すでに地上で実装されているIoT技術を海上に適用させることで、海運業界を「石器時代」から抜け出させようとしている。

現在、世界の貨物の約90%が海の上を渡っていくが、そのほとんどは簡単に追跡できない。Ericssonは、海運を利用する顧客が貨物の保存状態の安定性に関する情報を見られない現状があると主張する。

だが、そのような現状もすぐに無くなるはずだ。Ericssonの海上用ICTクラウドプラットフォームによって海運業界のすべてが変わる。Maerskの顧客が彼らの試みのよい見届け人となるだろう。

コネクテッドであることの便益とは

コネクテッドコンテナ船は、前もってソフトウェアプログラムによって事前にルートを明らかにできるため、配達準備の時間を短縮することができるだろう。Ericssonは、これで生産性の向上と燃料使用量の削減が期待できるとしている。つい最近業績の大幅な下方修正を発表したMaerskは、今回の提携で長期的スパンでの業績回復を狙っているだろう。

「Maerskにおけるソリューションの1つに、貨物を運んでいる“コンテナ船の常時監視”がある。これはつまり、もし何か問題が起きた際に我々はすぐに積極的、かつ、適切な対応ができるいうことである。あるいは、問題が起きる前に気付くことができるかもしれない。」と、ブルース氏は言った。IoT導入による便益は、コスト削減だけではない。

国際電気通信連合(ITU:International Telecommunication Union) からの最近の報告によると、北欧諸国のIoTに関する諸展開は世界に先駆けて急増しているという。今回のデンマーク企業とスウェーデン企業の提携は、海におけるIoTネットワーク展開の第一歩であり、その報告を証明する事例の1つである。

こうして新たな技術が業界を変えていく様を見守ることができることを嬉しく思う。現在はまだ世界規模というわけではないが、いつかすべての国を越えてあらゆるモノがつながる世界が実現されることを期待したい。

ReadWrite[日本版] 編集部
[原文4]

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