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  インタビュー

VM特化型ストレージのTintri、データ保護の新機能と分析予測サービスを発表

2016年11月16日(水)
松下 康之
仮想マシン特化型のストレージアプライアンスを提供するティントリジャパン合同会社は、データ保護と分析に関する新機能を発表した。

2016年11月4日、データセンターやクラウド環境で利用される仮想マシンに特化したストレージ製品を提供するTintriの日本法人であるティントリジャパン合同会社が、新機能の発表を行った。

データ保護の新機能

データ保護の新機能を発表するSE部マネージャーの八木下氏

データ保護の新機能を発表するSE部マネージャーの八木下氏

最初に発表したのは、データ保護のための機能である「Synchronous Replication」と「1-to-Many Replication」だ。Synchronous Replicationは、システムのリカバリーの方法として仮想マシンが利用するストレージをティントリのストレージアプライアンスであるVMstoreから別のVMstoreにリアルタイムで複製を作る機能だ。仮想マシンからは、仮想のIPアドレスをNFSマウントするだけで利用が可能になるという。仮想IPをプライマリーとセカンダリーのVMstoreが共有することで、2つのVMstoreがデータを同期する、つまり複製を行うというわけだ。Tintriの管理ツールであるTintri Global Centerから実行する。

Synchronous Replication

仮想マシンを止めずに複数のサーバー間で移動させる機能としては、VMwareが提供するvMotionがあるが、Tintriが提供するSynchronous Replicationは、ストレージアプライアンスの機能としてリアルタイムに仮想マシンからマウントされたストレージを複製する機能だ。つまり仮想マシンはそのままで、複製の作業をストレージ側にオフロードする機能と言っていいだろう。複製はリアルタイムで実行されるため、プライマリーサイトとセカンダリーサイトは同一データセンター内、もしくは100km以内かつ10Gbイーサネットで接続される高速なWAN接続が必要だという。「レプリケーション」というとどちらかと言えば遠隔地にバックアップを複製することを想像させるが、Synchronous Replicationはストレージを仮想マシン単位でフォルトトレラント化する機能と捉えたほうがいいだろう。データセンター内にある複数のVMstoreにデータをリアルタイムで複製できるため、例えばECサイトのデータベースなどの定期的なバックアップを取るなどの運用業務を根本的に変えることができる。

VMwareが提供するフォルトトレラント機能と比較すると、仮想マシンに対するオーバーヘッドが小さく、システム全体の性能を落とさずに複製が行えるところが利点だろう。システムの無停止化を目指しているはずなのに、複製のためにレイテンシーが増えてシステム全体の性能が下がるよりは、複製のワークロードをストレージ側にオフロードすることで、全体の性能を担保できるというわけだ。

サポートするOSは、現時点では最新のTintri OS(4.3)で、管理ツールであるTintri Global Center 3.5によって管理されたアプライアンスが対象となる。また対応するハイパーバイザーは、VMwareのESXiのみとなっている。プライマリーとセカンダリーの間の通信に関しても、重複排除や圧縮は行われないため、遠隔地間でこれを実行するユースケースには向かないだろう。あくまでもデータセンター内での複製のための用途と考えるべきだ。

実演されたデモでは、2つのVMstoreがRead/Writeを行うようすをファイルのコピーと動画再生をワークロード用のデモアプリとして実行し、片方のVMstoreからもう一つのVMstoreにフェイルオーバーを行って、実際にそれぞれのVMstoreのIOPSが入れ替わるさまを見せた。

上下のグラフが途中で入れ替わっているのがわかる

上下のグラフが途中で入れ替わっているのがわかる

1-to-Many Replication

1-to-Many Replicationは1:Nの複製、つまり1台のVMstoreから複数の遠隔地のVMstoreに複製する新機能だ。これまでリモートバックアップは、他社製品をインテグレーションすることで運用していたものを、Tintriの基本機能だけで完結できる部分が利点だという。

過去から将来を予測するアナリティクス機能

またもう一つの新機能である「Tintri Analytics」は、過去にTintriの顧客から収集した利用状況のデータを蓄積し、ビッグデータ解析を行って、ストレージの傾向と将来予測を行う機能だ。Tintriのストレージが、仮想マシン単位という細かい粒度の管理ができる利点を応用した分析ツールだ。通常のストレージアプライアンスであれば、LUN(Logical Unit Number)の単位でしか管理できないが、Tintriのアプライアンスであれば、仮想マシンが利用するディスク単位で管理ができる点を活かしている。これに加えて、過去6年間に世界中の顧客から収集したストレージの利用状況も最大限に活用した分析機能と言える。

アナリティクスを解説するSE部マネージャーの東氏

アナリティクスを解説するSE部マネージャーの東氏

仮想マシンを、利用されるアプリケーションなどによってグループ化を行い、そのグループ単位で分析できる辺りは、Tintriの面目躍如といった感じだ。ただグループ化そのものは、管理者がVDI、データベース、ERPなどのように仮想マシンの使われ方に合わせて行う必要がある。仮想マシンから見えるストレージの利用状況によって、自動的にグループ化が行われるわけではないということだ。

前述のSynchronous Replicationと1-to-Many Replicationが、最新OSとTintri Global Centerが必要であることとは異なり、Tintri Analyticsはクラウドサービスとしての提供となる。「Auto Support」と呼ばれるTintriに利用状況を定期的に提供するサポートに加入していることが必要となるが、利用は無償だ。

フリーランスライター&マーケティングスペシャリスト。DEC、マイクロソフト、アドビ、レノボなどでのマーケティング、ビジネス誌の編集委員などを経てICT関連のトピックを追うライターに。オープンソースとセキュリティが最近の興味の中心。

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