UCアプリ後編(ビデオ会議、運用ツールなど)
ツールやサービスでUC運用を効率化する
UCシステムはセンターから全拠点を管理する形態となるため、運用管理について検討する必要があります。UCツールはWebベースの管理画面や運用支援ツールなどによって簡単に管理できるように配慮されていますが、管理対象のデバイスが多い場合は、専任担当者を置くか外部のマネージド・サービスを利用することになります。
マネージド・サービスとしては、電話機の変更サービスや課金情報の提供サービス、さらにUCツールの管理サービスまで、さまざまなサービスが考えられます。顧客ごとの専用ポータルから各種の申請を行うことで、申請に応じてサービス事業者が顧客のUCシステムに設定を反映させます。ネットワンシステムズでも「XOC」と呼ぶサービス名でUCマネージド・サービスを提供しています。
今後は、ユーザー企業の敷地内に導入したUCツールの管理まで請け負うサービスが考えられます。反対に、UCツール自体をパブリック・クラウドで提供するUCサービスも考えられます(UCaaSと呼ばれる)。仮想化技術を利用すれば、ハードウエアを共有しながら顧客ごとに別個のUCツールを提供できます。
運用、監視、課金ツールが整備されている
UCツールのための運用管理ツールはさまざまです。PBX(構内交換機)時代から利用されている課金ツールも、UCにとって重要です。以下では、UCの運用管理ツールをいくつか紹介します。
1. UCの運用管理を円滑にする
UCを導入すると、電話やUCツールをセンターで集中的に管理することになります。この管理作業を最小化することを目的とした、UC用の運用管理ツールがあります。運用管理ツールは、UCの設定をテンプレート化し、簡単に電話機を追加できるようにします。さらに、申請/登録ワークフロー機能を提供します。
2. 監視ツールでサーバー障害を検知する
PBXベースのシステムでは、故障を考慮することはありませんでした。一方、UCツールで使うハードウエアは汎用PCなので、PBXよりは故障の確率が高い傾向にあります。UC用の監視ツールを導入することで、ハードウエア/ソフトウエアの監視が可能になります。
3. PBX置き換えでは課金ツールが必須
既存のPBXをUCに置き換えた案件では、課金ツールが重要です。部署ごとの電話費用を課金装置で配分していた場合、UCにおいても課金ツールの導入が必須となります。
UCツールの導入効果を計測するために内線課金が必要になる場合もあります。さらに、コンプライアンス(法令順守)目的で、社外への発信履歴をトレースするツールが必要になる場合もあります。
前回と今回の2回にわたって、現状のUCツールを説明してきました。最終回となる次回は、UCの現在を踏まえたうえで、今後のUCについて解説します。
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