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3Dプリンターはここまで進化した!7兆円市場を狙う最新技術とは

2017年10月30日(月)
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数週間前、ロシアのPEファンド Rusnano Sistema Sicarはスタートアップ企業のApis Corに600万ドルの投資を行うと発表した。Apis Corはシベリアで設立された企業であり、建築業界向けの3 Dプリンター技術設計を行なっている。

同社の3Dプリンターを使えば、特殊な素材を混ぜ込んだコンクリートを使って建築作業をすることができる。

手ごろな価格で、従来の建築技法よりも早く簡単に建設できるため唯一無二の技術だそうだ。

「Apis Corの技術により、早ければ来年には19%も安くコテージを建てられるようになる見込みだ。ゆくゆくは30%まで削減できるだろうとも考えている」とRusnano Sistema Sicarは述べている。

Apis Corは昨年、モスクワ近郊のStupinoに3Dプリンターを使い、工期24時間と1万ドルを下回るコストで38平米の家を建築して有名になった。

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国外への事業展開に備える

同社はロシアだけでなくアジアや中東の市場もターゲットにしている。国がスポンサーの建設プログラムが動いており、米国やヨーロッパ同様にオリジナル性が高く高度で複雑な建築デザインへの需要が高い市場だ。

Apis Corは数十台の3Dプリンターを使い、来年だけで数百万ドル規模の収益を生み出すことを見込んでいる。

「建築業界における3Dプリンターの可能性は非常に大きなものであり、成長率の低い住宅マーケットで世界の30%、評価額にして680億ドルのシェアを形成するだろうと予測されている。Apis Corは3 Dプリンターを使った建築業界のリーダーになるポテンシャルを秘めており、動きの早いこのマーケットで周りに先んじた存在になるだろう」とSistema ConsultのCEO Sergey Dergachは語る。同社はRusnano Sistema Sicarの投資アドバイザーを務めている。

イルクーツクから始まり、今ではApis Corはモスクワやサンフランシスコにもオフィスを構えている。今年の初め、同社はスタートアップ企業のコンテストでいくつかの賞を取り、国際的な技術の交流地点となっているSkolkovoから賞金300万ルーブル(約5万ドル)を手にしている。

初めて受ける投資

Apis CorはRusnano Sistema Sicarの投資ポートフォリオの一番手になっている。このファンドはロシアの総合商社であるSistemaと、国家を後ろ盾に持つナノテクノロジー投資企業 Rusnanoによって昨年設立された。1億ドルの資産を管理しており、取引を進めるための現金は十分あると見られている。 ファンドは新規の投資家にも門戸を開いている。

Rusnano Sistema Sicarはさまざまな成長過程にあるハイテク企業への融資先をロシアやその隣国だけでなく、ヨーロッパやイスラエルでもこれらの投資を求めている。

Rusnano Sistema Sicarが狙っているのは次のような分野だ:

・IT
・ロボティクス/オンボード備品
・ソフトウェア/クラウドテクノロジー
・コミュニケーション設備/エンドツーエンドソリューション
・再生可能エネルギー/省エネ技術
・マイクロエレクトロニクス
・自動コントロールシステム
・特殊用途向けコミュニケーションシステム
・総合セキュリティシステム用ソフトウェア

この記事は東ヨーロッパのスタートアップ企業を取り上げているRWのパートナー East-West Digital Newsで掲載されたものである。

ADRIEN HENNI
[原文4]

※本ニュース記事はReadWrite Japanから提供を受けて配信しています。
転載元はこちらをご覧ください。

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