暮らしを素敵にする最新IoTアイテム大集合! DMM.make AKIBA主催「IoT女子会」レポート

2018年6月18日(月)
八木 志芳(やぎ・しほ)

話題のIoTアイテムやサービスを女子目線で楽しみ、体験できる「IoT女子会」の第5回が、5月15日(火)に日本オラクルの東京本社で開催されました。

今回は「わたしの暮らしが素敵になる!今ドキのIoTアイテム大集合!」というテーマで、DMM.make AKIBA発のスタートアップ3社が参加。女性の『あったらいいな』を叶えてくれるような最先端テクノロジーのアイテムを紹介し、さらにじっくり体験できる内容となっていました。

今までにない個性的で便利なアイテムが揃い、未来的な機能の実現を予感させた今回のイベント。前回に引き続き、フリーアナウンサー・ラジオDJの八木志芳がレポートします。

なお、「IoT女子会」では毎回異なるテーマが設けられ、その都度、趣向を凝らした内容で行われています。IoT女子会の過去の活動やDMM.make AKIBAについては、Think ITのレポート記事や、IoT女子会のFacebookページをご覧ください。

女性の安全を考えた「しっぽコール」

まず紹介されたアイテムは、大人の女性の帰り道の安全を見守るバッグチャーム「しっぽコール」。株式会社ルースヒースガーデンと合同会社techikaが協同で開発しており、今回は株式会社ルースヒースガーデンの奥出えりかさんが登場しました。

株式会社ルースヒースガーデン 奥出えりかさん

奥出さんいわく、夜道を歩いているときに危険を感じたり、被害に遭ったりした経験があるという女性は多いにも関わらず、大きな被害がなければ警察に届けたり、その後も具体的に対策していないという方がほとんどだそうです。

現状では多くの女性が街中で危険を感じたり被害に遭ったりした経験があるが具体的な対策をしていない

そんな状況に疑問を感じたことから生まれたのが「しっぽコール」です。スマートフォンと連動して「暗くて怖い」「人影を感じる」などの不安を感じたときに、握るだけでスマホの着信音を鳴らすことができます。また、助けを呼びたいときは引き抜いて、ユーザーの位置情報をあらかじめ登録した友人や家族、LINEグループに知らせてくれます。

しっぽコールの主な2つの機能

現在普及している防犯ブザーは子供向けのものが多く、大人の女性が持ち歩くにはデザイン的にいまいち。また、実際の使用場面でも、大きな音で周囲に危険を知らせてはくれますが、確実に助けが来てくれるかはわかりません。

しかも、防犯ブザーの音は耳障りなアラーム音であるため、間違って鳴らしてしまった時に恥ずかしい思いをすることもあるのではないでしょうか。このように、何かが起きた時に使えるだけではなく、危険を未然に防ぐこともできるようになっているのです。

機能面だけでなくデザインにもこだわり、大人女性向けに気軽に持ち歩けて、日頃から身に着けられるものを目指しているそうです。

魅力的な自分に出会える「スマートミラー」

続いて登場したのは、「スマートミラー」を開発している株式会社Noveraの代表取締役CEO 遠藤国忠さん。

株式会社Novera 代表取締役CEO 遠藤 国忠さん

「novera mirror」と呼ばれているこのスマートミラーの大きな特徴は、ズバリ「しゃべる鏡」。「まだ見ぬ魅力的な自分と出会う化粧鏡」をコンセプトに、赤ちゃんの頃から親しみのある身近な道具であるにも関わらず、発明から約4800年以来、全く進化していない鏡の可能性に着目して開発がスタートしました。

鏡が発明されてから約4800年間も全く進化していないところに着目

遠藤さんは元々サイバーエージェントでゲームを作っていたこともあり、そのノウハウも活かし、ユーザーに語りかけるスマートミラーが形作られていきました。毎日向き合う鏡から、その時々の顔の状態をデータとして取得、ユーザーの要望や肌の状態に合わせたメイクやエイジングケアを音声と文字、将来的には映った顔にメイクを載せるARシミュレーションによりわかりやすく的確に提案してくれます。

スマートミラー(※開発中のデモ機)

ネガティブな情報は伝えず、「キレイになりたりけれど自信がない…」という気持ちをポジティブへ導き、鏡と向きあうことが楽しくなるようなシステムとなっています。外見だけではなく、メンタル面もケアしてくれるという夢のような鏡。女性ユーザーを想定し、鏡の音声には人気男性声優を起用するように進んでいるそうです。当初は男性だけで開発していたそうですが、美容アドバイザーなどの監修も入れ、どんどん進化させています。

スマートミラーの機能(※開発中のため変更あり)

生活空間を変えるコネクティッド・ロック「TiNK 」

最後は、株式会社tsumug(ツムグ) が開発するコネクティッド・ロック「TiNK(ティンク)」。同社は代表の牧田恵里さん以外は従業員0人で、現在のチームメンバーは全員個人事業主。今回登壇された上町達也さんはTiNKのプロダクトデザイナーとして参画しているそうです。

TiNKプロダクトデザイナー 上町 達也さん

「鍵のない世界を作る」ことを目的に、スマートフォンアプリで発行した番号やSuicaなどを鍵の代用品として考えているそうですが、ただキーレスで部屋に入れるというだけではありません。コネクティッド・ロックはデバイス自体にLTE通信モジュールを搭載し、ダイレクトに通信できることで様々な企業のサービスと直結し、多種多様な機能が実現できるようになっています。

コネクティッド・ロック「TiNK 」

例えば、「ワンタイムキー」という鍵の権利を一時的に特定人物に付与できる機能を使えば、家主が不在でも鍵となる数字のコードを伝えておくだけで家族や友人が出入りできるようになります。また、特定の配送業者に荷物の集荷・梱包を依頼したり、家事代行サービスなどを受けたりすることもできそうです。

また、喧嘩したカップルの女性が男性を家から追い出し、鍵を瞬間的に変えて締め出してしまう、というデモ動画も流されました(個人的には現実で一番使われそうな機能だと思いました!)。

さらに、鍵を一部の人と簡単かつ一時的に共有することもできるため、自宅をシェアハウスやワーキングスペースとして解放したい人の利用も想定しているということでした。

アイディアは身近なところから生まれる
―開発者の思い

各開発者による製品紹介の後には、本イベントの進行役を務めたDMM.make AKIBAの上村遥子さんをモデレータに、アイテム解説者とのトークセッションが行われました。「サービスが生まれたきっかけ」について質問が及ぶと、遠藤さんは、知り合いの女性にたくさんの意見を求め「綺麗になる鏡」「テンションが上がる鏡」というアイディアがあり、さらに遠藤さんの奥様からの「好きな俳優が語りかける鏡なら高値で買う!」という意見からサービスの方向性が固まっていったそうです。

DMM.make AKIBA コミュニティマネージャー・エバンジェリスト 上村遥子さん

また、TiNKについては、牧田さんが別れた恋人から自宅に不法侵入されたという経験から「部屋のロックについてセキュアな環境を提供してくれるサービスがあれば同じような体験をすることはないんじゃないか」という思いに至り、アイディアが生まれたそうです。しっぽコールも同様に、どれも見逃してしまいそうな身近な人の意見や体験を落とし込んだサービスです。まさに、暮らしに寄り添った「あったらいいな」をIoTで叶えようとしています。

トークセッションでは製品開発のきっけかをはじめ開発のウラ話なども飛び出した

体験会で感じた「体験すること」の大切さ

イベント終了後はお待ちかね、しっぽコール、スマートミラー、TiNKの体験会を開催。どのブースも多くの参加者が集まり、順番待ちの状態に。どのアイテムも来場者の心をつかんでいました。

しっぽコール体験の様子。「いくらなら買う?」というアンケートも行われていた

TiNK体験の様子。スマホから鍵を発行し簡単に開錠できる便利さがウケていた

遠藤さんは「体験が大事」だと話します。開発段階で色々な人に使ってもらい、意見を聞くこと、ソフト面もハード面もブラッシュアップしていくのだとか。実際私もスマートミラーを体験しましたが、本人以上に顔の調子を把握したような呼びかけや、言われて嬉しくなる言葉のチョイスに予想以上の性能の高さを体感でき、スマートミラーのある毎日を具体的に想像できました。

私もスマートミラーを体験!鏡からのコメントは音声とともに画面上にも表示される

実際のコメント内容はこんな感じ

そして、開発者たちの話からIoTアイテムをユーザーとして楽しむだけではなく、自らのアイディアを提案・開発することの面白さも実感しました。

まだまだ伸びしろのあるIoT産業。女子目線のアイディアが、全く新しい共感を呼ぶサービスを生み出すかもしれません。DMM.make AKIBAのような開発拠点の存在で、アイディアを形にしやすくなった今。より多くの女性のIoT開発参入に期待したいですね!

著者
八木 志芳(やぎ・しほ)
ラジオDJ/ナレーター(F Factory Japan所属)
大学卒業後、IT企業・レコード会社を経て、福島県のラジオ局にてアナウンサーとしてのキャリアをスタート。2017年11月にフリーのラジオパーソナリティー・ナレーターとなり、同時にライターとしての活動も始める。アナウンサー・ライターとしてインタビューしてきた人数は500人以上。茨城放送「Sunday 10Carat Numbers」出演中。


▼Twitterアカウント
:https://twitter.com/ShihoYagi

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