2015年に輝いて魅せたSpark、OpenStack、Docker、2016年は人工知能、Fintech、AGLが飛躍の年に
Fintechとオープンソース
- 【12/17】blockchain技術の進化をめざしLinux Foundationが業界リーダーを結集(参照記事)
The Linux Foundationは12月17日、フィンテックの注目技術である「blockchain」技術の進化をめざす新しい共同開発プロジェクトを発表しました。同プロジェクトは商取引を支える堅牢な業界特化型のアプリケーション、プラットフォームおよびハードウェアシステムの構築をめざし、エンタープライズグレードのオープンソース分散型台帳(「Distributed Ledger」)フレームワークを開発します。参加企業は米国IBM社や米国インテル社、米国ヴイエムウェア社、アクセンチュア、シスコ・システムズ、J. P. モルガン、ロンドン証券取引所グループ、R3のほか、日本企業では富士通や三菱UFJフィナンシャルグループなど、主に日米欧のITや金融に関する合計20社などの錚々たる企業が名を連ねています。
blockchainは取引の記録と検証を行うためのデジタル技術で、Distributed Ledgerは集中管理点を必要とせず、コスト効率のよい業務ネットワークを簡単に構築できる永続的かつセキュアなツールです。Distributed Ledgerを利用することで、事実上どのようなものも追跡・取引が可能になります。この新技術の応用は企業の大いなる将来性を示しており、数日かかるセキュリティ問題も数分で解決できる可能性があります。
また、これを利用することで企業は商品とその支払い状況を簡単に管理でき、メーカーはOEMや監督機関と生産記録を共有して製品のリコールを減らすことができるようになります。
これも2016年に注目すべき技術の1つです。
Automotive Grade Linux(AGL)
- 【01/06】車載Linuxに新開発のディストリビューション、Tizen IVIではない(参照記事)
- 【01/04】Automotive Grade Linuxが新しいユニファイド コード ベース ディストリビューションをリリース(参照記事)
2016年の年明けに発表された「Automotive Grade Linux(AGL)」関連のニュースです。
The Linux Foundationは5日、Linuxベースの車載情報機器関連のオープンソースプロジェクトAutomotive Grade Linux(AGL)が新しいLinuxディストリビューション(以下、AGLディストリビューション)を開発したと発表しました。6日から米国ラスベガスで開催されている「CES 2016(Consumer Electronics Show)」でも自動車関連の出展が増えており、自動車のIT化が大きな目玉になりつつあります。
そのような中で、AGLは昨年6月に車載情報機器向けの要求仕様書を公開していますが、今回のディストリビューションはその仕様に基づくものです。AGLは2014年まで「Tizen IVI」をリファレンスとしていましたが、2015年からは方針を転換して「ユニファイドコードベース(UCB)」と呼ばれる「Yocto Project」をベースにした新しいディストリビューションを開発する方針を打ち出していました。UCBでは、これまでにTizen IVIを使用して得た知見やAGLと協調して活動してきたGENIVIアライアンスの成果など、既存オープンソースプロジェクトの最良のソフトウェア部分を利用しています。
今後は、ディープラーニングを活用した自動運転技術など、目を離せない分野になってくると思います。
年末に、巷で騒がれていた噂の映画を観に行きました。過去6作の内容をすべて覚えているわけではなかったのですが、ストーリーが進むにつれて、いろいろなことを思い出してきました。賛否両論ありますが、エンターテインメントしてはとても良い映画だったと思います。
正月は家でサッカーやアメフトなどをTV観戦しながら、ゆっくりと過ごすことができました。穏やかに明けた2016年ですが、今年はOSSがもっと熱くなることを期待したいと思います。
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