amazonがXMLDBを採用した理由!
XML技術とオブジェクト指向技術
今ITに求められているのは、既存の枠組みを超えた新しいビジネスモデルの実現です。特に刻々と変化するビジネス状況を現場に正確かつ瞬時に提供できるしくみは、Webを介した小売業には必須のものになっています。
こうしたITシステムには、大きく2つの要件が求められます。1つは「変化に対する柔軟性を持ったデータ管理の方法」、そしてもう1つは「その時々の状況やイベントに応じた拡張性を実現するデータ基盤」です。
今回は、このようなシステムで使われているXML技術とオブジェクト指向技術についてお話します。
「今の在庫」を正しく把握せよ-米アマゾン・ドットコム
最初に紹介するのは、米アマゾン・ドットコム(以下アマゾン)の例です。
書籍の注文など、大規模なeコマースのシステムにはユーザーから大量のアクセスがあります。この時、ユーザーに対して「その時の在庫情報」を正しく提供することが重要で、これができないとせっかくのビジネス機会を失うことになってしまいます。特に大量アクセスが集中する時間帯などに、ユーザーからの注文に対して即座に在庫情報を提供できなければ、その機会損失は膨大になります。
アマゾンの従来のしくみでは、バックエンドのリレーショナルデータベース(以下RDB)にアクセス負荷が集中すると、パフォーマンスが劣化してしまい、最新の在庫情報を提供するのに非常に長い時間がかかっていました。そこで注目したのが、刻々と変化するデータをオブジェクトとして、それをメモリキャッシュ上で処理できる分散オブジェクト技術です。
さらに、キャッシュをWebサーバ側に複数配置し、メモリ上にキャッシュしたデータをメモリスピードで高速にアクセスする「キャッシュフォワード(http://www.cybertech.co.jp/xml/xmldb/luxeon/arch_c/cyber_luxeon_1.php)技術」を利用しています(図1)。
アマゾンでは、アクセス要求の増加に応じて、キャッシュの数を段階的に増やすことで、パフォーマンスを改善し、システムをスケールアウトしていきました。
ここで使われている「オブジェクトデータベース」や「キャッシュフォワード技術」は、XMLデータベース製品にも利用されており、現在日本市場では、XMLデータベース「Cyber Luxeon(サイバー・ラクセオン)(http://www.cybertech.co.jp/xml/xmldb/luxeon/)」やオブジェクト指向データベース「ObjectStore」に採用されています。
次に「オブジェクトデータベース」「キャッシュフォワード技術」「ダイナミックモデリング技術」について、紹介しましょう。