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オープンソースで構築する業務システム特集
第2回:オープンソースECシステム「osCommerce」
著者:
ワイズノット コマースグループ
2006/5/26
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在庫管理
標準のosCommerceでは、在庫の減算について厳密なチェックを行っていません。従って、チケット予約や限定商品、1点物の販売などについては、カスタマイズで対処するなどの必要性があります。(DBのテーブル形式がMySQLのMyISAM形式のため、DB上に物理的な制約を設けていません。またトランザクション機能を持たないテーブル形式であるため、在庫数が0になってもタイミングによっては購入できる場合があります)。
デザインの適用
標準のosCommerceでは、デザインとロジックが分離していないために、デザインを独自に入れようとする際には、PHPの知識が必要になります。なおosCommerce alterバージョン(注3)では、ヘッダ/フッタ/左右のメニュー部分についてテンプレート化が実装されています。
※注3:
日本語版osCommerce(osCommerce2.2MS1j)をベースとして、店舗構築の際に必要となる各種カスタマイズを加えて再パッケージ化したもの。
図3:osCommerceデザインカスタマイズ例「4U Anniversary」
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)
商品データのバリデーションチェック
管理側メニューから商品情報を登録する際に、必須入力のチェックを行っていません。そのため、商品情報がまったく入力されていない商品データを登録することができてしまいます。よって必須項目を定義し、入力チェックをカスタマイズする必要があります。
osCommerceの今後の可能性
osCommerceの今後の可能性について述べてみたいと思います。これまでは増加の一途をたどってきたECサイトも、今後はその数も少し落ち着いてくるのではないかと思われます。ユーザもECサイトを見る目が厳しくなり、よりよい、よりきめ細やかなサービスを提供できるECサイトだけが生き残っていくのではないでしょうか。osCommerceも、よりよいサービスが提供できるように今後も進化していくと思われます。
デザインのテンプレート化
当社をはじめ、osCommerceのカスタマイズを行っている会社では、すでに独自でデザイン部分のテンプレート化を行っている会社もあります。しかし先にも述べた通り、国際化バージョンではいまだデザインのテンプレート化は行われておらず、そういった意味では派生バージョンであるZenCartに遅れをとっているといえるでしょう。
しかし、ECサイトにおいてデザインは非常に重要であり、osCommerceでも早急にデザイン部分のテンプレート化が実装される必要があります。
eCRMオープンソースとの連動
osCommerceは、あくまでECサイトを構築するためのオープンソースソフトウェアですので、顧客管理機能などは必要最低限の機能でしかありません。しかし、マーケティングなどを考えた場合、顧客情報の管理や的確なメルマガ配信などは、今後もその必要性はますます高まっていくと思われます。
パッケージのECサイト構築ソフトウェアでは、ECの部分とeCRMの部分を切り分けて販売している物も数多く存在します。osCommerceも他のeCRMオープンソースソフトウェアと連動すれば、パッケージのソフトに負けない機能を持ったeCRMを展開することが可能だと思います。
今回、2点ほど例をあげさせていただきましたが、他にもユーザが希望する点は数多くあります。例えばモバイル対応などは、当社にも多くの問い合わせがあり、ニーズの高さがうかがえます。
これらの機能はオープンソースの可能性を考えれば、すでに世界中のどこかで開発に着手されているかもしれません。もしかしたら、明日にでも有効なモジュールとして公開される可能性もあるのです。今後もosCommerceは世界中でその時代のニーズに合った開発が行われ、着実に進化していくことでしょう。
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著者プロフィール
株式会社ワイズノット コマースグループ
ワイズノットの中でもマーケティング・コマースなどに特化したシステム構築を行う。SEOやユーザビリティの追求など様々な観点からクライアントのニーズにこたえるプロフェッショナル集団。
INDEX
第2回:オープンソースECシステム「osCommerce」
はじめに
Amazon.co.jpとの比較
在庫管理