Eclipseが提供するBIとレポーティングツール
第1回:インストールからはじめるEclipse BIRT
著者:ビーブレイクシステムズ 川本 博之
はじめに
本連載ではEclipseトップレベルプロジェクトの1つであるオープンソースのレポーティングツール「Eclipse BIRT(Business Intelligence and Reporting Tools)」を取り上げます。皆さんはJavaの開発ツールは何を使っていますか。おそらく多くの方がEclipseを使って開発を行っていると思います。
では、Java開発における帳票ツールとして何を思い浮かべますか。帳票ツールには商用製品からオープンソースソフトウェアまで様々なプロダクトが存在しますが、オープンソースの帳票ツールに絞って見てみるとデファクトスタンダードといえるものは存在しません。そのような状況の中、開発環境としてデファクトスタンダードの地位を確立したEclipseから提供されるEclipse BIRTは多くの注目を集めています。
Eclipse BIRTとは
Eclipse BIRTとは、Eclipse Foundationのトップレベルプロジェクトの1つであり、レポーティングソフトベンダーの米Actuate社が開発したEclipseベースのオープンソースレポート作成ツールです。2005年6月にバージョン1.0が発表され、現在(2006年2月)の最新バージョンは2.0です。
Eclipse BIRTのプロジェクトは、Eclipse上やWebブラウザ上、またはサードパーティーベンダー上でのレポートファイル作成機能(レポートデザインエンジン)、HTMLやPDF形式でのレポート出力機能(レポートエンジン)などを有します。
スクリプティング機能
Eclipse BIRTではレポートファイル/レポート内の要素/データソース/データセットが持つイベントハンドルメソッド内にスクリプトを記述することにより、独自の処理を登録することができます。スクリプト言語はMozillaの「Rhino」により、JavaコードとJavaScriptコードのどちらの記述も可能です。
今回は、前回作成した「店舗一覧」レポートに、グローバル情報の登録、SQLの表示、行背景色の変更をスクリプティング機能によって行っていきます。