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マスカット
リッチクライアントを加速させるAjax開発環境「マスカット」の全貌

第5回:実践!マスカットアプリケーションのサーバサイド作成
著者:NTTデータ  川田 洋平   2007/2/23
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サーバサイドの作成

   「第3回:実践!マスカットアプリケーションの画面作成」より、マスカットを使ったホテル検索アプリケーションの構築方法について解説しています。前回まででホテル検索アプリケーションのクライアントサイドを作成しましたので、今回はサーバサイドを作成し、一通り動作するホテル検索アプリケーションを完成させます。

   また最後にマスカットアプリケーションの拡張についても見ていきます。

サーバサイドの役割

   まずはサーバサイドの役割をここで改めて整理します。

   「第2回:実践!マスカットIDEをセットアップする」の「マスカットの動作概要」の図5、6を参照してください。クライアントサイドでイベントが発生した際、送信メッセージXMLがサーバに渡されます。

   サーバは受け取った送信メッセージXMLを元に特定の処理を行い、処理結果を受信メッセージXMLとしてクライアントサイドに返します。これがサーバサイドの役割となります。


送信メッセージXMLと受信メッセージXMLのスキーマ

   さて、ここででてきた送信メッセージXMLと受信メッセージXMLですが、そのスキーマはイベント定義XMLの内容によって完全に決定します。Eclipse版IDEではイベント定義XMLから自動的にスキーマを生成する機能がありますので、まずはその方法を紹介します。

   はじめに設定を行います。プロジェクト・エクスプローラー内の当該プロジェクトを右クリックし、プロパティーを選びます。プロパティーダイアログボックスの左側のツリーで「Maskat」を選択し、スキーマ生成の有無とスキーマ生成先フォルダを設定します。

スキーマ生成に関するダイアログボックス
図1:スキーマ生成に関するダイアログボックス
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   ここでは表1のように設定します。

スキーマ生成
生成する
スキーマ生成先フォルダ
schema\gen

表1:スキーマ生成の設定

   設定が終ったら「OK」ボタンをクリックして終了します。

   以降マスカットプロジェクトを修正して保存を行うたびに、先ほど指定した生成先フォルダにすべての送受信メッセージXMLのスキーマが自動的に生成されるようになります。

生成されたスキーマ
図2:生成されたスキーマ

   「検索実行イベント」と「一覧選択イベント」の送受信メッセージXMLと図2における各スキーマファイルの関係は表2の通りです。

送受信メッセージXML スキーマファイル
検索実行イベントの送信メッセージXML searchButton_onclick_sendTele.xsd
検索実行イベントの受信メッセージXML searchButton_onclick_recvTele.xsd
一覧選択イベントの送信メッセージXML hotelDetailGrid_onclick_sendTele.xsd
一覧選択イベントの受信メッセージXML hotelDetailGrid_onclick_recvTele.xsd

表2:ホテル検索アプリケーションの送受信メッセージXMLとスキーマファイルの関係

   以降ではそれぞれのイベントごとに送受信メッセージXMLの内容を見ていきます。

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株式会社NTTデータ 川田 洋平 技術開発本部 ソフトウェア工学推進センタ エキスパート
著者プロフィール
株式会社NTTデータ 川田 洋平
技術開発本部 ソフトウェア工学推進センタ エキスパート

同社の研究開発部門にてWebシステムの研究開発に従事。マスカットの開発には初期から携わり、オープンソース化後はマスカットプロジェクトのプロジェクト運営委員会(PMC)およびコミッタとして活動を続けている。


INDEX
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