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第3回:中身の濃い進捗報告会を作るには〜前編〜

著者:ウルシステムズ  村田 修作   2007/8/29
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大量の課題をいかにして管理するか

   この連載には、ユーザ企業代表C社の新プロジェクトリーダー・結佐(ゆうさ)氏と、開発ベンダー代表R社の若きエースプロジェクトマネージャー・弁田(べんた)氏が登場します。

   両者の間には立場の違いから来るギャップがありますが、それを埋めるためには、リアリティをもったプロジェクト像を描いて両者の認識をあわせるとよいという思いのもと、2人は奮闘しています。

   今回の話のテーマは、プロジェクト管理に欠かせない「課題管理」です。ここで紹介するやり方ですべてのプロジェクトがうまくいくとはいえませんが、どのようなことを工夫すれば、大量の課題をうまく管理していけるのかをみていきましょう。

リアリティのある課題・ToDo管理でプロジェクトを進める

   キックオフを無事終えた弁田氏がほっとしていると、そこへ結佐氏がやってきた。

   結佐「いよいよ、これから本格的にプロジェクトが開始しますね。あたりまえの話ですが、今後プロジェクトを進めていく上で、課題はしっかり管理していく必要があります。現時点でみえている課題を漏れなく洗いだし、来週からはじまる進捗定例で課題をプロジェクトメンバーで共有していきましょう」

   弁田「もちろんです。課題管理はプロジェクト管理の基本です。任せて下さい」

   弁田氏は課題を漏れなく洗いだすため、プロジェクトメンバーから現在感じている課題を収集することにした。そこで課題管理表の雛型を作成し、プロジェクトメンバー全員に今感じている課題を課題管理表へどんどんあげていってもらうよう依頼した。

   プロジェクトメンバーが記入し終わった後、弁田氏は課題管理表を眺めていた。しかし、それぞれは確かに課題なのだが、大きな課題と小さな課題が混在していたり、今すぐ解決すべきものとしばらくしてから着手すればよいものが混在している。この状態では、まとめて議論するには適さないように感じて仕方がなかった。

   これをどう整理すればよいか迷っていた弁田氏は、困った時にいつも頼りにしている先輩プロジェクトマネージャのT氏に相談することにした。

メンバーが書き込んだ課題管理表
表1:メンバーが書き込んだ課題管理表
(画像をクリックすると別ウィンドウに拡大図を表示します)

   T氏は、しばらく課題管理表を眺めた後、こういった。

   T氏「課題って、人によってとらえ方が違うから難しいね。まずは、とにかく、この表で何を管理したいかをはっきりさせるべきだ」

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ウルシステムズ株式会社 村田 修作
著者プロフィール
ウルシステムズ株式会社  村田 修作
シニアコンサルタント。「少しでも顧客の役に立つことをする」をモットーに日々コンサルティング活動に奮闘中。「どのようにすれば会議での議論を空中分解しないようファシリテートできるか」が現在の最大の研究テーマ。


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第3回:中身の濃い進捗報告会を作るには〜前編〜
大量の課題をいかにして管理するか
  課題管理の3つのポイント
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