RichTextBox内の各オブジェクトを印刷する

2010年6月14日(月)
PROJECT KySS

オブジェクトを指定して、必要個所を印刷する

Silverlight 4では、印刷機能がサポートされました。しかも、任意のオブジェクトを指定しての印刷が可能となっています。Silverlightアプリケーションの画面を印刷したい場合、Silverlight 3以前のように、ブラウザの印刷機能を使用する必要はありません。

第6回では、この印刷機能を使ったサンプルを紹介します。

このサンプルのプロジェクト・ファイルは、こちらからダウンロードできます。

今回実装する処理は、RichTextBoxコントロール全体を印刷したり、その中にレイアウトしたMediaElementやDataGridコントロールを指定して部分的に印刷するというものです。

実行画面には、「全て印刷」「動画印刷」「表印刷」の3つのボタンをレイアウトしておき、印刷範囲を指定できるようにします(図1)。

DataGridの表のデータは、プリンタに「Microsoft XPS Document Writer」を指定して書き出しています(図2)。[印刷(P)]ボタンをクリックすると、任意のフォルダに「ファイル名を付けて保存」することができます(図3)。保存したXPS形式のファイルは、XPSビューアで閲覧することができ(図4)、デジタル署名や印刷や検索が可能です。

もちろん、XPS形式で出力するだけではなく、プリンタを指定しての出力も可能ですので、試してみてください。

図1: 「全て印刷」「動画印刷」「表印刷」の3つのボタンで、印刷対象を設定する

図2: 出力方法として、ここではMicrosoft XPS Document Writerを指定している

図3: [印刷(P)]ボタンをクリックして「ファイル名を付けて保存」する。デスクトップ上にDataGrid.xpsという名前で保存している

図4: 保存したxpsファイルをダブル・クリックすると、XPSビューアが起動して閲覧できる。全て印刷した結果(上)、動画の印刷結果(中)、表の印刷結果(下)

RichTextBoxコントロールのレイアウト

前回までのサンプル作成時と同様の手順で、新規Silverlight 4プロジェクト(プロジェクト名は「SL4_RichTextBox_Print」)を作成してください。プロジェクト依存関係も設定してください。

UserControlのPropertiesペインの[Layout]を展開して、Widthに800、Heightに600を指定します。

Toolboxからタイトルを表示させるTextBlockと、Buttonを1個レイアウトしてください。ButtonのWidthやHeightや文字サイズを指定し、Contentに「全て印刷」と入力します。このButtonをコピーして、2回ペーストし、同じスタイルのButtonを増やします。それらのContentは、それぞれ「動画印刷」「表印刷」としておきます。

次に、RichTextBoxコントロールをレイアウトし、プレス&ドラッグして任意のサイズに広げます(図5)。IsReadOnlyプロパティにチェックを付け、編集を不可にしておきます。この設定をしなければ、RichTextBox内にレイアウトしたHyperlinkコントロールを選択してクリックすることができません。

図5: TextBlock、3個のButton、RichTextBoxをレイアウトする

この要素内には、 などの要素を記述することができます。
  要素はブロック・レベルの内容を記述する際に使用します。
  要素内にはUIElementを記述することができます。
  は改行を表します。
  は書式付き、または書式なしのテキストに用いられます。書式を設定する場合は、プロパティの値を設定します。 今回は、これらの要素のうちのいくつかを使ってみましょう。

リスト1のように、要素内に要素を追加します。その中に記述したテキストの一部に、要素で書式を設定し、要素を記述して、NavigateUriプロパティにリンク先を指定します。TragetNameプロパティには_blankを指定し、新規ウインドウが開くように指定します。

リスト1: RichTextBox内に追加するスタイル付きのサンプル・データ


このサンプルの実行には、
    TargetName="_blank" >Silverlight 4 プラグイン が必要です。

Silverlight 4では、任意のオブジェクトを指定しての印刷が可能です。
 
  印刷する場合は、
  ビデオを一時停止してください。


四国のSOHO。薬師寺国安(VBプログラマ)と、薬師寺聖(デザイナ、エンジニア)によるコラボレーション・ユニット。1997年6月、Dynamic HTMLとDirectAnimationの普及を目的として結成。共同開発やユニット名義での執筆活動を行う。XMLおよび.NETに関する著書や連載多数。最新刊は「Silverlight実践プログラミング」両名とも、Microsoft MVP for Development Platforms - Client App Dev (Oct 2003-Sep 2012)。http://www.PROJECTKySS.NET/

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