つかみが大事! 英語の挨拶を完全マスター【場面別】

2021年7月21日(水)
山口 秀子(やまぐち ひでこ)

はじめに

日本語でも大事と言われている挨拶。英語でもしっかりできるようにしておきたいですよね。

オフィスや出先で外国人に会ったとき、スマートに挨拶ができれば、会話も盛り上がり、より仲良くなれるかもしれません。別れ際も、ただ「バーイ」だけでなく、気の利いたもう一言も伝えられるように、便利なフレーズを覚えておくと良いでしょう。

今回は、英語の挨拶で困らないように、知っておきたいポイントも合わせて紹介していきます。

出会い頭の挨拶①:
「How are you?」と言われたらどうする?

Hello!Good morning!という挨拶に合わせてほぼ必ず言われるのが、How are you?です。日本人が「お疲れ様です」「お世話になります」と言うのと似たような感覚かもしれません。

外国人の同僚と朝オフィスで会ったときや、英語で打ち合わせを始めるとき、海外の取引先に電話するときなど、会話の始めにHow are you?と聞くのは、英語での挨拶のマナーとも言えます。

私も南アフリカに住んでいたとき、ガソリンスタンドで給油をしてくれる店員さんにHow are you?と声をかけられ、最初はびっくりしました。さすがにスーパーのレジで言われることはありませんでしたが、レストランで注文するときなどには必ず、How are you?から会話が始まりました。

私が中学生の頃の英語の教科書には、

A: How are you?
B: I’m fine, thank you. And you?

という会話例がありました。英語の授業が始まるときはいつも、先生にHow are you?と聞かれ、生徒全員でI’m fine, thank you. And you?と棒読みで答えていたのを覚えています(笑)。実際に日本人の多くは、とっさの場面ではこのような答え方をしてしまうようです。

もちろんI’m fine.でも間違いではないですが、How are you?への答え方は他にも色々あり、ニュアンスもそれぞれ違うので、ここでは代表的なものをいくつか紹介します。

I’m good.(元気です。)
I’m great.(とても元気です。)
I couldn’t be better.(直訳だと「これ以上良くなれない」=最高です。)
I’m not bad.(悪くないです。)
I’m ok.(悪くないです。)

I’mは省略してもOKです。私はHow are you?と聞かれたら、基本的にGood.と答えます。

仕事関係の相手には上記の答え方が無難ですが、友人や打ち解けた間柄に対しては、調子が悪い場合は素直に下記のように伝えても良いでしょう。

I’m not so well.(あんまり調子が良くないです。)
I don’t feel good.(あんまり調子が良くないです。)
I’m very tired.(とても疲れています。)
I’m hanging in there.(ぎりぎり耐えています。)

調子が悪いときは、特にI’m tired because I couldn’t sleep well yesterday.(昨日あまり寝れなくて、疲れています。)と理由も付け加えると良いでしょう。

以前一緒に働いていた同僚の中に、内線で連絡をしてHow are you?と聞く度に、No complaints.と答える人がいました。「文句ないです」というニュアンスなので、実際には何か文句があるのかな?と密かに心配していました(笑)。

そのときの素直な気分や相手によっても、答え方を上手に使い分けられると良いですね。

また、答えた後はお礼をし、相手にも聞き返すことが大切です。社交辞令のような場合もありますが、相手はあなたの状態を気にかけてHow are you?と聞いてくれているので、そのことについてThank you.やThank you for asking.と「気にかけてくれてありがとう」という感謝の気持ちを伝えます。

そして、「こちらもあなたのことを気にかけていますよ」と伝えるために、And you?How are you?How about you?と聞き返すのがマナーです。

How are you?と同じ意味で、How are you doing?と聞かれることもあると思いますが、答え方は上記で紹介した表現を使えばOKですよ。

出会い頭の挨拶②:
「How are you?」以外の変化球

仕事の場面では、How are you?という挨拶が多いですが、カジュアルな場面では他の質問をされてビックリすることもあるかもしれません。

そんなときにもスマートに答えられるように、ここでクイズに挑戦して表現を学んでみましょう。質問に対して最も合う答えを選んでみてくださいね。

【クイズ1】
Q. How’s it going?
a. It’s a pleasure to meet you.
b. It’s going well.

【クイズ2】
Q. What’s up?
a. Nothing special.
b. I don’t know.

【クイズ3】
Q. How do you do?
a. Nice to meet you.
b. I’m doing well.

【クイズ4】
Q. It’s been a long time.
a. It’s a pleasure to see you again.
b. Sounds great.

【クイズ5】
Q. How have you been?
a. Not at all.
b. I’ve been very busy.

それでは1つずつ、クイズの解説をしていきましょう。

【クイズ1】
How’s it going?は、How are you?と同じニュアンスですが、友人同士などのよりカジュアルな場面で使われる挨拶です。これをさらに略して、How’s it?と聞く人もいます。

したがって、この質問にはb. It’s going well.(いい感じだよ。)と答えるのが自然です。これ以外にも、Good.Not bad.のように、How are you?の返事と同じような答え方をすればOKです。

ちなみに、a. It’s a pleasure to meet you.は「お会いできて嬉しいです。」という意味で、初対面の挨拶で使う表現です。

【クイズ2】
What’s up?は、How’s it going?よりもさらにカジュアルな挨拶です。「最近どう?」という意味なので、a. Nothing special.のように「特に何も。」と変わりないことを伝えましょう。

What’s up?は日本語でいう「よっ!」といったニュアンスなので、同じくWhat’s up?と返しても良いですし、あえてそれを質問として受け取らず、まともに答えなくても問題ありません。

私もWhat’s up?で挨拶してくる知り合いはあまりいないので、たまにWhat’s up?と聞かれると、とっさに答えが出ず笑ってごまかし、そのまま会話を始めてしまいます。

ちなみに、SNSではWhat’s up?を略してsupと表したります。いきなり海外の友人から、Hey, sup!とメッセージが来ても、驚かないでくださいね。

【クイズ3】
「初めまして」という意味のHow do you do?は、初対面の挨拶として覚えた人も多いと思います。

この挨拶にHow do you do?と返しても間違いではないのですが、同じ言葉を繰り返すのではなく、a. Nice to meet you.のように違う言葉で返事をした方が気持ちがこもっているように感じられます。

とは言え、How do you do?はとてもかしこまった表現なので、私自身が実際にHow do you do?と言う人に出会ったことはとても少なく、Nice to meet you.やIt’s a pleasure to meet you.のような挨拶の方がより一般的に使われています。

【クイズ4】
It’s been a long time.は、「久しぶり」という意味です。久しぶりの相手に対する挨拶としてLong time no see.を知っている人も多いと思いますが、こちらは少しカジュアルな表現です。

ビジネスの場面では、It’s been a long time.It’s been a while.のように、前に会ってからしばらく経ったことを伝える言い方をすることが多いです。

それに答える際には、a. It’s a pleasure to see you again.のように、「またお会いできて嬉しいです。」と伝えたり、How have you been?(お元気でしたか?)How is your family?(ご家族はお元気ですか?)のように聞くこともできます。

【クイズ5】
How have you been?は、久しぶりに会った相手に「会っていない間どうされていましたか?」と近況を伺う表現です。

b. I’ve been very busy.(最近はとても忙しかったです。)のように、I’ve been…の形で答えつつ、because our new product was released last week.(新商品が先週発売になったから)のように近況を伝えると良いでしょう。

以上のように、出会い頭の挨拶には様々な表現がありますが、スマートに挨拶を交わし、会話を盛り上げられるように、ここで紹介した表現をぜひ覚えてみてくださいね。

別れ際の挨拶:
気遣いの一言も添えてみよう

会話や打ち合わせが終わった後やオフィスを出るときなど、別れ際にSee you. Bye.などの挨拶をしますが、日本語でいう「お疲れ様です」や「よろしくお願いします」のような気遣いの一言も添えられると良いですね。

「お疲れ様です」「よろしくお願いします」は訳すのが難しく、日本で働いていた外国人の同僚達も皆、これらは日本語で覚えてそのまま使っていました。

英語では、別れ際に「この後も良い時間を過ごしてね」という気持ちを込めて、下記のような一言を添えます。

Have a nice day. (良い1日をお過ごしください。)
 →午前中に別れの挨拶をする際

Have a nice evening. (良い夕方をお過ごしください。)
 →午後以降に別れの挨拶をする際

Have a nice weekend. (良い週末をお過ごしください。)
 →金曜日など週末前に別れの挨拶をする際

niceの部分は、goodgreatに変えてもOKです。上記のように時間帯や曜日によって使い分けますが、例えば長期休暇前などには、Have a nice holiday!Enjoy your holiday!と伝えることもあります。

相手からHave a nice day!と先に言われたら、Thank you, you too!Thanks. Same to you.のように、御礼と「あなたもね」という気持ちを伝えます。

会話の終わりには、See you.Bye.だけで終わらせるのではなく、上記のような一言も添えてみてくださいね。

おわりに

今回は、英語での挨拶で知っておきたい表現とポイントを、出会い頭と別れ際の2場面に分けて紹介しました。

日本語では、出会い頭の挨拶で「お元気ですか?」「ご機嫌いかが?」などと聞くことはあまりないと思うので、How are you?のように相手への気遣いの言葉から会話を始める英語のコミュニケーションは素敵だな、と思っています。

様々な質問と回答のパターンがありますが、とっさの場面で困らないように、本記事を参考にしていただけると嬉しいです。英語でも気持ちよくスマートに挨拶を交わして、そこから会話を盛り上げて楽しんでみましょう。

著者
山口 秀子(やまぐち ひでこ)
株式会社グローレン
株式会社グローレン マネージャー。学生時代、ガーナに1年間留学。外資系自動車メーカーにて、南アフリカへの2年の駐在やグローバルプロジェクトのPMO、役員通訳を勤める。日系商社にて海外メーカーとの取引・交渉も経験。現在は、ビジネス英会話等のレッスンカリキュラム・教材作成を担当し、オンライン学習プログラムMOVAEICを企画・運営。TOEIC985点。

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