はじめに
前回紹介した通りLifeKeeperは「HAクラスタソフトウェア」に分類され、対障害機能を持ったクラスタソフトである。今回と次回は「LifeKeeper for Linuxの基本インストールと操作」を紹介する。
インストールの事前準備
今回はクラスタを構築・操作について具体的な手順を紹介する。また記事内でのシステム構成は以下の環境を想定して解説する。
| クラスタソフトウェア | LifeKeeper for Linux version 5.1 |
| OS | Red Hat Enterprise Linux AS version 4 |
| サーバ2式 | ネットワークインターフェースを2つ シリアルポートを1つ SCSIインターフェースを1つ |
| 共有ディスクアレイ 1式 |
2つのSCSIインターフェースを持った外部ディスク装置 |
構成検討に際しては、動作確認の取れているハードウェアやディストリビューション、およびカーネルバージョンをLifeKeeperの Release Notesで確認することをお薦めする。Release NotesはSteelEye社のWebページよりダウンロードできるので是非ご一読いただきたい。

図1:クラスタ構成イメージ
図1の「TCP」はTCPプロトコルを使用した通信を示し、「TTY」はシリアルポート経由でTTY通信を利用することを意味している。また共有ディスクアレイはSCSIにより両サーバと接続されているものとする。
そのほかに、以下の点に留意して準備をする。
- GUI環境(X Window System:Gnome、KDEなど)のインストール
- GUIでの操作をサーバで行う場合に必要だが、Webブラウザ経由でGUIを操作する場合は不要。
- Korn Shellパッケージのインストール
- LifeKeeperが使用するスクリプトはkshで動作するため、pdksh-5.2.14以降のパッケージが必要。
- クラスタノード間通信に使用する経路を少なくとも2つ用意する
- 今回は図1で示すようにTCP(イーサネット)とTTY(RS-232C)を使用。
- 共有ディスク上にはOSからマウントできる状態にあるファイルシステムがすでに構築されている必要がある
- 各ノードがお互いに名前解決できる必要がある
- localhostも127.0.0.1に解決される必要がある。また名前解決の手法としては、/etc/hostsもしくはDNSなどで解決できていれば問題はない。
上記以外のシステム要件に関してはRelease Notesを参照いただきたい。