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「Cybozu Database Engine」のリソースの作成

「Cybozu Database Engine」のリソースの作成

   では「Cybozu Database Engine(cyde)」のリソースから作成していく。「Create Resource Wizard」を実行し、「Generic Application」を選択する。


Generic Applicationの選択
図4:Generic Applicationの選択

   さらに表6のように設定を行い、ウィザードを進めていく。

Switchback Type intelligent (注2)
Server lk1
Restore Script /root/ga2_script/LK4L/scripts/cyde_4_1/restore
Remove Script /root/ga2_script/LK4L/scripts/cyde_4_1/remove
QuickCheck Script /root/ga2_script/LK4L/scripts/cyde_4_1/quickCheck
Local Recover Script /root/ga2_script/LK4L/scripts/cyde_4_1/recover
Application Info (注2)
Bring Resource In Service Yes
Resource Tag cyde (注2)
表6:項目の指定

※注2: これらの項目は任意に指定してかまわない。

   lk1にcydeのリソースが作成できたらlk2にも拡張を行う。これでcydeのリソースが作成できた。

「Cybozu Scheduling Service」のリソースの作成

   同様に表7に従って設定を行い「Cybozu Scheduling Service(cyss)」のリソースを作成する。

Switchback Type intelligent (注3)
Server lk1
Restore Script /root/ga2_script/LK4L/scripts/cyss_cbgrn/restore
Remove Script /root/ga2_script/LK4L/scripts/cyss_cbgrn/remove
QuickCheck Script /root/ga2_script/LK4L/scripts/cyss_cbgrn/quickCheck
Local Recover Script /root/ga2_script/LK4L/scripts/cyss_cbgrn/recover
Application Info (注3)
Bring Resource In Service Yes
Resource Tag cyss (注3)
表7:項目の指定

※注3: これらの項目は任意に指定してかまわない。

   lk1にcyssのリソースが作成できたらlk2にも拡張を行う。

   それぞれのリソースの作成が終了したら、LifeKeeper GUIでcydeとcyssのリソースを確認できる(図5)。

cydeのリソースとcyssのリソース
図5:cydeのリソースとcyssのリソース

   ガルーン2のリソースの保護という意味ではこれで十分である。さらにApacheリソースとの連携を考慮する場合は最終的に図6のようなリソース階層となる。

Apacheリソースとの連携を考慮した場合のリソース階層
図6:Apacheリソースとの連携を考慮した場合のリソース階層

   以上で、ガルーン2単体構成のHAクラスタ化が完了となる。

   Apacheリソースを作成したり、両方のサーバにガルーン2をインストールしたりと多少手順が多くなるが、全体の作業時間はそれほどかからない。また、スクリプトとドキュメントが完備されているので、かなり容易に構築することが可能である。

終わりに

   今回はGeneric ARKを使用してガルーン2の単体構成のHAクラスタ化を行った。

   Generic ARKで保護されているリソースは「Cybozu Database Engine」と「Cybozu Scheduling Service」のサービスであり、監視スクリプトは各サービスが稼動しているかどうかを適宜チェックしている。

   そのため各サービスを停止したり、停止後にサービススクリプトの実行権を剥奪したりすることで、ローカルリカバリやフェイルオーバーのテストが行える。是非、ガルーン2の単体構成のHAクラスタ化を構築した後は、スクリプトの動作確認テストも行って欲しい。

   本連載ではガルーン2を例として用いたが、Generic ARKはいかなるアプリケーションにも対応できるRecovery Kitである。工夫次第ではアプリケーションのHAクラスタ化のみならず、「このリソースがrestoreされる前にこの処理を行っておきたい」といった 補完的役割も担わせることが可能である。

   Generic ARKの利用方法はユーザ次第で無限大といえる。是非ともGeneric ARKを試していただきLifeKeeperの環境を今以上に豊かなものにしていただきたい。

(監修:サイオステクノロジー株式会社 小野寺 章)

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