「OpenStack Summit May 2015 Vancouver」レポート #5 (Market Place:出展企業ブース)
5月18日よりカナダ・バンクーバーで開催中の「OpenStack Summit May 2015 Vancouver」。今回は、セミナーからはちょっと離れて、出展企業ブースの様子をレポートしたいと思います。
今回ブースを出展したのは106の企業・団体でした。前回のパリ開催では出展会場の通路を使って円を書くようなレイアウトになっていましたが、今回は大きな一部屋にすべての出展ブースをレイアウトしていました。パリ開催のときと比べると詰め込んだ印象がありますが、その分にぎやかな雰囲気が感じられました。
Open Stack業界の「今」が分かる出展会場
展示ブースはビジネス色が強くなりますから、OpenStackビジネスの業界の景気が反映されていると言えるでしょう。その観点でブース全体を見ると、「以前と比べてOpenStackが前面に出なくなった」という印象を持ちました。
これにはいくつか理由があると思われます。1つ目はOpenStackがデファクト化したためです。OpenStackを使うことが当たり前になったため、ことさらに言う必要もなくなったということなのでしょう。
特にスタートアップはOpenStackよりも上位でサービスを展開する企業や、OpenStackの下位に付けるハードウェアやネットワークストレージコンポーネント企業が数多くありました。スタートアップ企業にとってはOpenStackに繋がるのが当然であり、特に強調しないようです。
2つ目は商用ディストリビューションの状況の変化です。今まではスタートアップを含めてディストリビューションで激しい競争が起きており、独自のOpenStackディストリビューションを打ち出しているところが多くありました。
しかし、買収や倒産などにより淘汰が進んだ結果、今回スタートアップでOpenStackディストリビューションを出している企業はほとんどありませんでした。商用ディストリビューションはRedHat、Canonical、SUSE、HP、Mirantis、IBMといった世界的にメジャーな大企業で大勢は決したようです。
3つ目は、DefCoreのリリースによるものです。DefCoreにより、OpenStackロゴを利用するためには定義されたテストをパスしなければならなくなりました。DefCoreリリースが4月だったため、今回のブース出展には間に合わなかったという事情が考えられます。
全体的には、OpenStackというよりPrivate Cloud、Cloud Federation、Cloud Managementといったキーワードが大きく出ています。つまり、「OpenStackを使ってどのようなクラウドを実現するか」にビジネスの焦点が移ってきていると思います。
日本企業の動向としては、NEC、日立、富士通、東芝が出展しました。東芝は新しいストレージ装置をアピールし、日立と富士通はOpenStackベースのクラウドソリューションを出展しました。NECは「SDN Data Center」とCloud Platformとして「Micro Modular Server」を展示しました。
以降では、OpneStaclk Summitの主なスポンサー企業ブースの出展について簡単に紹介します。
Headlineスポンサー(HP、RedHat、Intel、SolidFire)
HP
「HP Helion」をブランドとして押し出しています。最近発表した「HP RACK」(HP Helionインストール済みの統合アプライアンス)も展示していました。
Intel
自社のオープンソース活動を「01.org」としてブランド化し、OpenStackへの貢献をアピールしていました。Trusted VM、NFV、Securityがキーワードです。
RedHat
「Continuous Innovation」がキーメッセージです。RDO(RedHatのOpenStackコミュニティ)や「RedHat OpenStack Platform」を展示し、常に賑わっていました。
SolidFire
OpenStack Cinder対応のブロックストレージ製品を展示していました。世界的な大企業が集まるHeadlineスポンサーの中では唯一の専業ベンダーです。
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