米Red Hat「Ansible 2.1」提供開始、プライム・ストラテジー「KUSANAGI RoD」β版無償提供、ほか
こんにちは、日立ソリューションズの吉田です。
今年の5月は記録的な暑さで、東京では「5月の最高気温の平均値」が過去140年間で1位でした。また、25度以上の「夏日の日数」も過去最多だったようです。ところが、この週末は6月としては記録的に強い寒気が流れ込んでくるようで、相変わらず体調管理の難しい季節が続きます。十分に注意しましょう。
今週もOSSに関する注目すべきトピックをとりあげましたので、ゆっくりとご覧下さい。
Red Hat、「Ansible」最新版はコンテナ・Windows・Azureに対応
米国Red Hat社は5月31日、オープンソースのIT自動化フレームワークの最新版「Ansible 2.1」の提供開始を発表しました。Ansibleはネットワーク設定やクラウド展開、開発環境の構築といったルーチン活動を自動化することで、より早く容易にITアプリケーションや環境を展開できるフレームワークです。2.1ではMicrosoft Windows環境をサポートし、単一の自動化プラットフォームでクロスプラットフォームの完全自動化が利用できるようになりました。また、コンテナに対するサポート拡充も図っており、「docker-service」という新しいモジュールに加え、Ansibleの既存のDockerモジュールを書き直して導入しました。
(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2016/06/01/043/)
プライム・ストラテジー、WordPress高速実行環境「KUSANAGI」のDockerイメージβ版を無償提供
プライム・ストラテジーは5月31日、WordPressの高速実行環境「KUSANAGI」をDocker化した「KUSANAGI Runs on Docker」(以下、KUSANAGI RoD)のβ版を無償提供すると発表しました。KUSANAGIはプライム・ストラテジーが仮想マシンイメージとして開発し、オープンソースライセンスで無償提供するWordPressの実行環境です。KUSANAGI RoDはクリエーションラインの支援を受けてプライム・ストラテジーが開発し、2社が協力して検証しました。なお、KUSANAGI RoDのDockerイメージは、Docker向けのコンテナ共有サービス「Docker Hub」からダウンロードできます。
(参照記事:http://cloud.watch.impress.co.jp/docs/news/20160531_760046.html)
オープンソースライセンス管理団体OSI、ライセンス情報を提供するAPI「Open Source License API」を公開
米国のオープンソースライセンス管理団体「Open Source Initiative」(以下、OSI)が5月25日、機械可読のOSI承認ライセンスを提供する「Open Source License API」プロジェクトを発表しました。ライセンス情報を提供するサーバも公開されており、HTTPでリクエストを送ることでJSON形式でライセンス情報を取得できます。OSIはOSSの推進・保護を目的とする団体で、GPLなど約80種類のオープンソースライセンスの承認も行っています。今回OSIはOpen Source License APIとして、機械可読なOSI承認ライセンスを公開し、OSI承認ライセンスに関するメタデータを含み、外部ソースとの統合などに利用できます。
(参照記事:https://osdn.jp/magazine/16/05/31/150000)
SUSE、「SUSE Linux Enterprise Live Patching」― パッチ適用中の再起動不要
ノベルは5月26日、「SAP HANA」や「SAP NetWeaver」を企業システムで運用するエンタープライズLinuxユーザに向けて、システムパッチ適用時の再起動を不要とする「SUSE Linux Enterprise Live Patching」を国内で発表しました。サービスの可用性が向上し、ダウンタイムのコストを削減できるとしています。「SUSE Linux Enterprise Live Patching」は実行中のカーネルを中断させずにアップデートする一連のパッケージを提供します。「SAP HANA」のシャットダウンやサーバの再起動なしに「SUSE Linux Enterprise Server for SAP Applications」にパッチを適用できます。
(参照記事:http://news.mynavi.jp/news/2016/05/27/317/)
NECがSpark上で使える分散型の機械学習技術を開発、約110倍に高速化
NECは5月26日、データに混在する複数の規則性を分散コンピューティング環境で100倍以上高速に発見する技術「分散版異種混合学習技術」を開発したと発表しました。コンピュータ1台のメモリーには収納しきれない大規模データを分析するのに適しており、例えば、大手金融機関のATM残高予測や大規模通信事業者の解約予測など、数千万件以上のサンプルでデータを解析できます。今回は、Apache Sparkをベースにしたもので、複数のコンピュータにランダムにデータを配分し、それぞれが局所的に予測モデル群の生成と学習を行います。
(参照記事:http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/16/052601514/)
5月31日に約2年2月ぶりに火星と地球が最接近し、最近10年間で最も近い距離になりました。最接近する火星は「スーパーマーズ」と言われ、日没とともに南東の空に現れ、夜遅くには南の空に赤く光る様子が観測できます。天候に恵まれれば1週間程度は肉眼でも見えるそうです。夜空を見上げて、少し壮大な宇宙に思いをはせてみてはいかがでしょうか?
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